科目名[英文名]
食品化学Ⅰ   [Food Chemistry Ⅰ]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01bn2017
責任教員 [ローマ字表記]
服部 誠   [HATTORI Makoto]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
食品タンパク質の基本構造と特徴を概説し、構造安定性を水分、pH、イオンの種類と濃度との関わりにおいて述べる。さらに、各論として、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、卵タンパク質、及び乳タンパク質を取り上げ、これらの構造化学とゲル化性、乳化性、生体調節機能等の諸機能を述べ、それぞれの食品の特徴を考察する。また、食品に重要な成分間反応について述べる。
到達基準
食品化学とは、様々な成分の複雑な混合系である食品の個々の成分を明らかにし、それらの構造、機能について調べ、その結果により、より優れた食品作製のための基盤を築く学問である。本講義においては、食品の成分のうち、特にタンパク質を取り上げ、食品タンパク質の一般的な性質、個々のタンパク質の性質を学び、食品成分間反応について理解できることを目的としている。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。 https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
次の授業内容について講義する。
1.イントロダクション[1)食品あるいは食糧の科学における問題点 2)一次産物から食物まで 3)食品化学とは?] 
2, 3.タンパク質化学[1)タンパク質を構成するアミノ酸 2)タンパク質の構造 3)タンパク質の分類 4)タンパク質の2次構造 5)タンパク質の構造を安定化する結合力 6)タンパク質の構造形成に関わる分子間力 7)環境要因によるタンパク質のコンフォメーション(構造)変化 8)タンパク質の乳化性と泡立ち性]
4, 5.大豆タンパク質化学[1)大豆タンパク質の組成 2)大豆タンパク質の変性(pHによる変化、塩類による変化、過熱による変化) 3)大豆タンパク質の機能特性(乳化性、ゲル化性、気泡性)]
6.小麦タンパク質化学[1)小麦タンパク質の組成 2)小麦タンパク質の機能特性(溶解性、ドウ形成性)]
7, 8.食肉タンパク質化学[1)家畜タンパク質とその構造 2)生体における筋肉の収縮と弛緩 3)筋肉から食肉への転換 4)食肉タンパク質の機能特性]
9, 10.卵タンパク質化学[1)卵の構造と性状 2)卵タンパク質(卵白タンパク質、卵黄タンパク質) 3)卵タンパク質の機能特性(乳化性、ゲル化性、気泡性)]
11, 12.乳タンパク質化学[1)牛乳の成分 2)牛乳のタンパク質(脂肪球皮膜タンパク質、カゼイン、乳清タンパク質) 3)牛乳の生態調節機能 (オピオイドペプチド、血圧調節ペプチド、免疫系賦活ペプチド、細胞増殖性ペプチド) 4)乳タンパク質の利用] 
13.メイラード反応[1)メイラード反応とは? 2)メイラード反応生成物の生理機能] 
14.食品の加工・貯蔵・調理におけるタンパク質の非酵素的変化[1)酸化反応 2)アルカリ処理による反応 3)加熱反応] 
15.酵素的褐変反応[1)褐変に関与する酵素 2)酵素的褐変反応の進行 3)酵素的褐変の阻害]
履修条件・関連項目
食品化学IIの履修を勧める。関連科目には、食品製造学、食品衛生学、食品工学がある。有機化学、生化学が基礎となる。
授業時間30時間に加え、本学の標準時間数に準ずる学習時間を使って事前配布されたプリントの内容を予習し、授業内容を復習すること。
テキスト・教科書
毎回プリントを配布する。
参考書
鬼頭誠・佐々木隆造編「食品化学」文永堂出版、五十嵐脩・宮澤陽夫著「食品の機能化学」弘学出版、上野川修一、田之倉優編、食品の科学、東京化学同人、西成勝好・矢野俊正編「食品ハイドロコロイドの化学」朝倉書店
成績評価の方法
期末試験により評価する。試験は試験期間に実施する。
単位取得のためには2/3以上の出席が必要。
教員から一言
食品化学はI、IIで完結するよう授業内容を調整している。食品の水、糖質、脂質については食品化学IIで講義する。有機化学、生物化学の知識を要する。毎回出席をとる。
キーワード
食品化学、食品機能学、食品生化学、タンパク質、ペプチド,アミノ酸、食品中の成分間反応
オフィスアワー
オフィスアワー:講義終了後。その他質問があるときは、メールでアポイントメントをとった後、食品化学研究室(1号館2階)にてお受け致します。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/02/15 14:19:11