科目名[英文名]
多文化共生論   [Cultures Studies for Symbiotic Society]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01hs1003
責任教員 [ローマ字表記]
李 杏理, 澤 佳成   [SAWA Yoshinari]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
国際社会が多様性の価値と豊かさをますます認識するようになった今、私たちは「違いを欠陥とみなす」見方から脱却する必要がある。また、文化を「本質化」したり、伝統的に理解したりすることは、特定の集団に固定的な特徴があるかのように誤って描きかねないため、避けることが肝要である。
本講義は、主として歴史的視点から、文化の複雑さ、多様性、アイデンティティの概念、権力関係などに関する困難な問いを探求する。文化は、私たちの考え方や行動、世界との関わり方、個人のアイデンティティに影響を与えうる。とはいえ、文化はアイデンティティと同じではなく、様々なかたちで表現される。文化は複雑で多様、そして流動的である。
多文化共生について考えることは、地域社会の調和、反レイシズム、異文化理解、あらゆる文化的背景を持つ市民間の好ましい関係を促進しうる。


なお、本科目は、グローバル教養科目群の人文社会科学の科目として開講されます。
到達基準
1. 国際社会が直面する文化間の衝突や対立、人種差別といった諸問題について、歴史的知見にもとづいて、分析することができる。
2. 多文化社会の経験を、事例研究にもとづいて分析することができる。
3. 日本における多文化社会をめぐる課題を、国際比較や理論研究の視点から考察することができる。

主な目標(科目別目標一覧対応):異文化理解◎ 国際感覚◎ 知の開拓能力〇、複合領域対応〇
授業内容
1. ガイダンス
2. 多文化社会の歴史的文脈(1)
3. 多文化社会の歴史的文脈(2)
4. 日本の多文化社会史(1)
5. 事例研究(1):在日コリアン
6. 移民と食文化研究
7. マイノリティ運動と国際的文脈
8. 映像で見る多文化社会
9. インドシナ難民と難民条約
10. 国際人権レジームと理論
11. 日本の多文化社会史(2)
12. 事例研究(2):「ニューカマー」
13. 多文化主義の各国比較
14. 多様性規範と反多文化主義の時代
15. 講義のまとめ
履修条件・関連項目
各回、参考資料を配布します。毎授業後に、各資料をじっくりと読み直し、それぞれの考えを深めてください。(授業時間30時間に加え、上記の内容に沿って、本学の標準時間数に準じた予習・復習を行ってください。)
テキスト・教科書
特に指定しない。授業時に資料を配布します。
参考書
安井大輔『フードスタディーズ・ガイドブック』ナカニシヤ出版、2019年
安田菜津紀『故郷の味は海をこえて―「難民」として日本に生きる』ポプラ社、2019年
南川文里『未完の多文化主義―アメリカにおける人種,国家,多様性』東京大学出版会、2021年
成績評価の方法
平常点(30%)
期末レポート(70%)
教員から一言
多様性、マイノリティ、移民・難民、ヘイトクライムなどに関連するニュースや一次ソースを通して、最新の動向に気を配ってください。講義中にも、参照すべきWebページやドキュメンタリーなどを紹介します。
キーワード
異文化理解、移民、難民、外国人、公民権、ダイバーシティ、エスニシティ、差別、ナショナリズム、レイシズム、ヘイトスピーチ
オフィスアワー
授業後およびメールにて質問等を受け付けます。
備考1
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバス・授業方法の変更については、本科目のクラスルームから確認してください。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/01/25 17:22:20