科目名[英文名] | |||||
哲学 [Philosophy] | |||||
区分 | 教養科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 共同獣医学科 | 対象年次 | 2~ | 開講時期 | 1学期 |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 01hs3006a | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
澤 佳成 [SAWA Yoshinari] | |||||
所属 | 農学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
みなさんが「哲学ってどんな学問?」と聞かれても、明確な答えは思い浮かばないかもしれません。それもそのはず、哲学の対象は、時代とともに変遷してきており、自然、宇宙、神、科学、人間、人生、愛、社会、自由、平等、生命・・・と、いまや多岐にわたっているからです。このことは、哲学者たちが、時代の要請に応えて前の時代の思想を変化させ、次の時代にバトンタッチしてきたという事実を表しています。そうした哲学の歴史的営為が新しい社会観、人間観、歴史観を築いてきたことによって、現代に生きる私たちはあらゆる自由を享受できているのです。 理系学部に所属するみなさんが携わる自然科学を例に考えてみましょう。自然科学は、近代の科学革命の恩恵により誕生しますが、科学革命を可能にしたのは、哲学による価値観の転換だったのです。また、自然科学を扱ううえでは、その研究の社会的意義を考えなければなりません。さらに、科学の発展には自由な発想が欠かせません。そして、研究者として、社会人として働くことの意味も自問する日が来るかもしれません。 そこで本講義では、あらゆる哲学の対象の中から「科学とは何か」「自由とは何か」「人間が働く意味とは何か」というテーマで哲学の面白さを探求しつつ、自然科学や現代社会の諸問題と哲学がいかに深く関係しているか考えたいと思います。 以上の理由から、本講義は、全学教養科目(人文・社会科学科目)として開講されます。 |
到達基準 |
1)哲学という学問の基本的特徴を理解する。 2)哲学的な概念が自然科学的な営為や現代社会におおきな影響を与えている側面を理解する。 3)自分なりの人間観・自然観・社会観を形成することができるようになる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照してください。 URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/ |
授業内容 |
【ガイダンス】哲学ってどんな学問?(第1回) Ⅰ 科学的であるということ(第2回〜第6回) 1)哲学が科学的な見方を変えた!?①――コペルニクス革命とパラダイムの転換(T.クーン) 2)哲学が科学的な見方を変えた!?②――カントによる哲学上のコペルニクス的転回(I.カント) 3)パラダイムという壁――科学的な姿勢を貫く生き方の困難さ(水俣病を事例に) 4)科学的な判断後の選択と道徳哲学(J.ベンサム、J.S.ミル、I.カント) 5)自然の斉一性問題と科学的合理主義(D.ヒューム、K.ポッパー、武谷三男、原田正純) Ⅱ 社会哲学への誘い1――自由とは何か?(第7回〜第10回) 1)人間の自由と尊厳(I.カント) 2)自由主義の思想(J.S.ミル) 3)不安が自由からの逃避につながる?( E.フロム) 4)自由が抑圧へと転化する危険性(I.バーリン)ミニレポ提出回(翌週の金曜16時まで) 【中間まとめ】(第11回) Ⅲ 社会哲学へのいざない2――人間が働くことの意味(第12回〜第14回) 1)J.ロックの人間観・労働観がもたらした意義と限界(J.ロック) 2)人間が働くことの意味――ヘーゲルの考えた疎外 3)物象化から疎外された労働へ――つながりを回復するには(K.マルクス) Ⅳ 日本の思想――石橋湛山の自由主義(第15回) |
履修条件・関連項目 |
【単位数】2単位 【準備学習】授業の最後に、次回までに考えてきてほしい課題を出したり、読んできてほしい資料を渡したりします。 また、授業時間の30時間に加え、配布資料や参考図書を活用して本学の標準時間数に準ずる予習および復習を積極的に行ってください。 【事後学習】テキストのうち、授業に関連する部分を指示するので、復習のために読んでください。 ※授業時間の30時間と上記の準備学習・事後学習を含め、本学の標準時間数に準ずる学習を行ってください。 |
テキスト・教科書 |
授業時に、プリントを配布します。 |
参考書 |
・澤 佳成(2010)『人間学・自然学からの解剖――人間はひとりで生きてゆけるのか』梓出版社 ・講義の際、内容に関連する参考文献をその都度提示します。 |
成績評価の方法 |
コメントペーパの内容・授業での応答への参加度等の平常点(40点)、ミニレポート(60点) |
教員から一言 |
皆さんの積極的なご意見を期待します。そして、ぜひ一緒に哲学しましょう! |
キーワード |
科学哲学、科学と技術、社会哲学、道徳哲学、自由、疎外 |
オフィスアワー |
【直接面談の場合】 水曜10:30〜12:00 【メールによる質問】 sawa0116@cc.tuat.ac.jp |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
http://web.tuat.ac.jp/~envirothought-hp/index.html |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/01/05 16:07:36 |