科目名[英文名]
環境文化史   [Cultural History of Environment]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01rn2045
責任教員 [ローマ字表記]
高橋 美貴   [TAKAHASHI Yoshitaka]
所属 農学部 研究室 農学部9-303  メールアドレス

概要
 日本列島の社会では、かつて自らを取り囲む自然に手を加え、多様な生物相(生物多様性)を生み出すとともに、それを活用するためのさまざまな知や技術、そして社会システム(文化的多様性)を生み出してきました。そのなかで、日本列島の伝統的な農村景観や生活文化、さらには行動様式や思考様式に至るまでの日本列島型の文明が育まれてきたのです。日本列島の伝統的な地域生態システムもまた、そのなかで生み出されたものでした。環境文化史とは、現代文明(石油化学文明)が成立する以前の日本列島社会に存在した文明システム・地域生態システムの特質、そしてその崩壊のあり様を描き出すことで、現代の地域生態システムを相対化する視点を獲得することを試みてみようという科目です。「他の国を知ることは自分の国を知ることです。同じように、過去を知ることは『いま』を知ることです」。そんな思いを抱えつつ、地域生態システム学のなかに環境文化史という学問・教育領域を位置づけることを試みてみたいと思います。
 なお、本授業は、地域生態システム学科専門科目に含まれます。
到達基準
1.二次的自然(社会生態学的生産ランドスケープ・文化的景観)とそれを生み出してきた伝統的な生業・生活文化に対する再評価が、地域の環境や生産・社会(地域生態システム)の今後を考えるうえで重要な論点のひとつとなっていることを理解する。
2.日本の伝統的な景観やそれを生み出した文化・文明の特徴を、授業で提示した事例に即して論理的に理解できる。
3.実際に目に見えている「場」や「事」「物」を生み出してきた歴史のダイナミズムを見通す作業を体感し、そのダイナミズムを説明する「物語」の紡ぎ方を体感する。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
はじめに
1、地シス学と環境文化史(第1回)
2、導入ー武蔵野の里山からー(第2回)
Ⅰ、ヤマの文化史
1、平地林の文化史(第3回)
2、刈敷林の文化史(第4回)
3、草山の文化史(第5回)
4、ヤマの環境文化史と江戸文明論(第6回)
Ⅱ、屎尿の文化史
1、都市から農村へー西へ・東へ(第7回)
2、排泄と便所の文化史(第8回)
3、屎尿の近現代史(第9回)
Ⅳ、「人間のいる」環境史に向けて(第10回)
Ⅴ、都市の環境文化史(第11回)
1、近代都市・東京の景観と成り立ちー山の手編ー(第12回)
2、日本近代の都市景観と都市文化ー商業地編ー(第13〜14回)
おわりに(第15回)

※なお、以下の授業構成変更の可能性もあります。これについては、その都度、授業のなかでお伝えします。
履修条件・関連項目
授業時間30時間のほか、計15時間程度を用いた課題回答作成のための自習活動(情報取集・分析・構成・作文)、そして本学の標準時間数に準じた予習・復習を行うこと。
テキスト・教科書
教員の用意するプリントを使用します。参考文献は授業のなかで紹介します。
参考書
授業のなかで紹介します。
成績評価の方法
成績評価は、基本的に毎回の授業で提出いただく課題によって判定します。授業の内容を消化のうえ、それを踏まえつつ、教員の問いや依頼に対して論理あるいは・ユニークな文章を書けているか、という観点から評価します(課題は提出1回につき7点を予定)。また、希望者にはレポートを提出いただき小レポート合計点に加算します(レポートは20点満点で採点予定)。ただし、レポートはあくまでも希望者のみ限り、D判定をC判定以上にするためには使いません。また、レポートを提出された方には、(成績判定後にはなりますが)希望があれば面談のうえレポートに対するコメントを行います。
教員から一言
キーワード
生業文化,里山と生業・生活,江戸文明,都市と農村,高度経済成長
オフィスアワー
オフィスアワーは木曜日6限です。できれば事前にメールなどでアポイントメントをとっていただければ、と思います。事前にご連絡をいただければ、木曜日4限以外の時間でも対応可能です。
備考1
履修を希望される皆さんは、クラスルームに登録ください。
クラスコード:cotggj7
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/10/06 7:51:49