科目名[英文名]
知的財産権・特許法   [Intellectual Property and Patent Law]
区分 教養科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等 共同獣医学科  対象年次 2  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01sg3005
責任教員 [ローマ字表記]
岩岡 正博, 徳本 浩一, 深澤 潔   [IWAOKA Masahiro]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
 知的財産は米中抗争の中心課題になっているようにグローバルな競争力の源泉となっています。他者の知的財産と自分の知的財産に関して研究開発やビジネスの分野でも関心を払う必要があります。
 一つ目は、研究開発の成果の移転ツール、共同研究開発の成果の配分・管理など研究開発をスムーズに進めて、成果を普及する手段。 
 二つ目は、ビジネス分野で自他を区別し、競争力の獲得と維持図る手段。
 三つ目は、身近になっている農産品のブランド化を通して農業等一次産業の発展や地域振興を図る手段。

 農林漁業が活用できる知的財産は、工業などにはなじみのない種苗法などもあって沢山種類があります。主なものは、特許、デザイン、ブランド、営業秘密、デジタルコンテンツ、新品種、地域団体商標、地理的表示、バイオ特許などです。これらの基礎知識を学ぶとともに農業分野などにおいてこれらを複合的に活用することを考えてみます。

 本科目は、教養教育のグローバル教養科目群に区分される理系教養科目として開講される。
 本科目は、実務経験のある教員による授業である。担当教員は弁理士として知的財産を扱う業務に携わっており、弁理士業務や特許庁の審査に関わる実体験や実務の知識を生かした授業を行う。
 担当教員の確定後、シラバスの内容が変更になる場合がある。
到達基準
1.研究開発(R&D)における知的財産の取扱いの役割を理解している。
2.農業、食に関する知的財産の概要を理解し、この分野における知的財産の利用を検討できるようになる。
科目別目標:自主性/自律性、国際感覚、文章表現、教養倫理、科学技術系学識
授業内容
第1回 ガイダンス   知的財産について 評価方法の説明
第2回 知的財産法  知的財産法の概要  
第3回 特許法  I  R&D 特許法の概要
第4回 特許法 II   特許出願、特許取得までの手続き 
第5回 意匠法     意匠法の概要
第6回 著作権法    著作権法の概要
第7回 パリ条約と特許協力条約    
第8回 総括
    中間試験
第9回 ブランド1 ブランドの概要を理解し、知財の活用目的を理解する。
第10回 ブランド2 商標制度の概要を理解する。
第11回 ブランド3 地域団体商標制度と地理的表示制度の概要を理解する。
第12回 外国で知財を取得するために、知的財産に関する国際条約の概要を理解する。
第13回 農業知財1 育成者権(種苗法)の概要を理解する。
第14回 農業知財2 農業分野のおける各種知財の利用状況、紛争状況を理解し、知財情報を調査する手段を理解する。
第15回 農業知財3 農業分野における知財の活用事例を知るとともに課題を理解し、農業関連において知財を複合的に利用することを検討する。

※なお、受講生皆様の理解度を優先し、多少進行状況が変更する場合があります。

履修条件・関連項目
 本科目は、技術を法律やビジネスの側面と結びつけるもので、技術系の学生にとって貴重な経験になります。研究管理や技術開発に関心のある学生、ビジネスに関心のある学生は、知的財産は交通ルールのように社会の基礎知識であると認識して受講してください。
 今までの馴染みのない分野ですが、基礎的な事柄から専門的なことまで特許庁と農水省のホームページに掲載されているので、予習、復習に利用し、関心を深めてください。
 また、種苗の海外模倣などニュースでも取り上げられますので、ニュース解説にアクセスすると現実の課題に理解が深まります。

授業時間30時間に加え、次項の教科書や参考文献を参照して本学の標準時間数に準ずる予習復習を行うこと。
テキスト・教科書
標準特許法 第4版 高林 龍(有斐閣)、知的財産権法文集(平成30年改正 発明推進協会)、攻めの農林水産業のための知財戦略(経済産業調査会)
参考書
工業所有権法(上)第2版 中山信弘、なるほど日本の素敵な製品(経済産業省 特許庁)、「意匠」(有斐閣 高田忠)、「商標」第6版(有斐閣 網野誠)、パリ条約講和第9版(後藤晴男 発明協会)、特許協力条約第6版(橋本良郎 発明協会)、『注解パリ条約』(ボーデンハウゼン"Guide to the Application of the Paris Convention for the Protection of Industrial Property As Revised at Stockholm in 1967")、商品形態の保護と不正競争防止法(現代産業選書 牛木理一)、著作権法概説第2版(田村義之 有斐閣)、農水省HP(農水知的財産関連情報、新品種、地理的表示等)、特許庁HP(商法、地域団体商標等)
成績評価の方法
レポートで評価します。その他加点(知的財産管理技能検定・弁理士試験も評価します。)
教員から一言
知的財産の知識の有無は問いません。やる気さえあれば大歓迎です。さあ!一緒にがんばりましょう。
柔軟にフットワーク軽く講義を展開します。身近にある知財を理解し、過渡期にある農業へ知財を活用することを考えます。
キーワード
研究開発、特許、実用新案、意匠、ノウハウ、トレード・ドレス、著作権、商標、新品種、地理的表示、地域団体商標
オフィスアワー
24時間対応です。電子メール、あるいは講義中にて対応します。
備考1
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバスの変更については、本科目のクラスルームから確認してください。
備考2
農水省HP(農水知的財産関連情報)http://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/index.html
特許庁HP http://www.jpo.go.jp/indexj.htm
特許情報検索 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
参照ホームページ
備考2を参照ください。
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/07/13 11:59:15