科目名[英文名] | |||||
生命倫理 [Bioethics] | |||||
区分 | 教養科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 共同獣医学科 | 対象年次 | 2~ | 開講時期 | 3学期 |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 01sg3006 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
近藤 弘美, 大倉 茂 [OHKURA Shigeru] | |||||
所属 | 農学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
「生命倫理」は、古典的な職業倫理である「医の倫理」を補完する流れで、1960年代以降アメリカを中心に発展した分野です。その背景には、急速に発達した医療分野において新たな倫理的問題への対処が求められていたことを挙げることができます。本講義では、現代特有の問題である「生命倫理」が私たちの日常生活と密接に関係していることを念頭に置きつつ、各テーマについて主体的に考察していきます。 本科目は、教養教育のグローバル教養科目群に区分される理系教養科目として開講されます。 |
到達基準 |
1.「生命倫理」について正確な知識を身につけ、各テーマにおける倫理的問題を理解できる。 2.教養倫理の理解を深め、価値観の多様性を認め、異文化理解に通じる異なる意見や考えに対して寛容な態度で接することができる。 3現代社会のおいて求められる「生命倫理」に対する適切な思考力・倫理的判断を養うことができる。 |
授業内容 |
第1回:「倫理学」の諸分野・諸領域について学びます。「倫理学」と「生命倫理」の関係性、倫理的判断(価値判断)と事実の相違、規範倫理学について概説します。 第2回:「医の倫理」の歴史と「生命倫理」誕生の背景、「生命倫理」の四原則を確認します。「医の倫理」と「生命倫理」を比較し、各特徴を理解します。 第3回:インフォームド・コンセントとパターナリズムを取り上げます。患者と医療者の関係性からインフォームド・コンセントの必要性、パターナリズムについて学びます。 第4回:生命の始まり①生殖補助医療技術の進歩による精子・卵子の取り扱いや代理出産の問題について考えます。子の出自を知る権利、自然主義と契約主義の対立を確認します。 第5回:生命の始まり②着床前診断、出生前診断後の選択的中絶にみられる優生学的思想について考えます。私たちは命を選別することにどう向き合うのかについて検討します。 第6回:生命の始まり③人工妊娠中絶をめぐる議論を通して、胎児の道徳的地位とリプロダクティブ・ライツ、人間の本質に関して学びます。 第7回:生命の始まり④遺伝子改変によるデザイナーベビーを生み出すこと、医療技術の進歩によるエンハンスメントの概念とその是非について考察します。 第8回:生命の終わり①「脳死は人の死か」という問題から、死の定義と脳死の基準について確認し、移植医療との関係性、臓器移植法の改正について説明します。 第9回:生命の終わり②医療ツーリズム、臓器売買などの移植医療に関する問題から「人体の資源化」について考えます。 第10回:生命の終わり③終末期医療における生命維持装置の停止または治療中止による消極的安楽死、尊厳死の問題について検討します。 第11回:生命の終わり④終末期医療における積極的安楽死と医療者による自殺ほう助について事例を通して確認し、生きることの意味や価値を問い直します。 第12回:生命倫理と正義①:神の委員会の事例を参考に、限りある医療資源を公平に配分しようとした時に生じる問題について考察します。 第13回:生命倫理と正義②:分配的正義論の基本を確認し、医療分野へ応用した場合、どのような問題が生じるのかを説明します。 第14回:生命倫理と正義③:日本の健康保険制度、医療へのアクセスを概観し、公正な政策に必要な観点とは何かについて考えます。 第15回:これまでの授業で学んだことを復習し、期末レポートについての課題提示と説明をします。 |
履修条件・関連項目 |
・授業時間の30時間、課題作成に要する学習時間に加え、配布資料や参考文献を活用して本学の標準時間数に準ずる予習および復習を行うこと。 |
テキスト・教科書 |
授業ごとにプリントを配布します。 |
参考書 |
適宜紹介します。 |
成績評価の方法 |
期末レポート(70%):生命倫理の各テーマの内容を理解し、要点を記述できているか、自らの意見を理由や根拠に基づいて述べることができているかを評価します。 授業ごとの課題(30%):毎回授業内で課題に取り組みます。課題を通して各テーマに対する理解度を確認します。 |
教員から一言 |
予備知識は必要ありません。生命倫理にまつわる様々な問題について一緒に学びましょう。 |
キーワード |
生命、人間、価値、多様性 |
オフィスアワー |
・授業前後の休み時間に質問を受け付ける。 ・質問や面談希望はメール(アドレス)まで連絡すること。 |
備考1 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバスの変更については、本科目のクラスルームから確認してください。 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/03/07 11:43:48 |