科目名[英文名]
科学基礎実験   [Experiments in Fundamental Science]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 021315
責任教員 [ローマ字表記]
坪内 彰, 兼橋 真二, 森 啓二   [TSUBOUCHI Akira, KANEHASHI Shinji, MORI Keiji]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
科学基礎実験は大学入学後の初めての実験授業である。これから必要となる様々な実験手法の基礎と心構え(安全管理、レポート作成法など)を学び、続く工学基礎実験や応用化学実験IーIVなどのより専門性の高い実験科目への導入を図る。

本実験は、基礎的な「化学実験」および「物理学実験」の2つのパートからなる。
「化学実験」は1号館3階学生実験室で、「物理学実験」は4号館学生実験室でそれぞれ行う。
化学実験では、実験を通して基本的な実験器具や装置の使用法を身につけると共に、実験操作に対する理解を深める。
物理学実験では、物理学および物理化学の基礎事項についての理論を学び、物質科学に関する実験方法を習得する。
これらを通して、将来の卒業研究に備える。

本科目のクラスコード:jvurhxa
到達基準
実験を行う際の心構えや準備について学習し、実験ノートの書き方・データの取得・結果の整理・レポートの正確な記述法など、科学者として必須の事項を習得できる。

(化学実験)器具類の取扱法、器具の検定の方法を習得できる。また、有効数字や誤差の概念を理解し活用できるようになる。

(物理学実験) 特に実験結果の解析・考察に重きをおいたレポートの作成法を習得できる。誤差計算の方法およびレポート執筆における参考文献の適切な引用法を身につけられる。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
ガイダンス①:授業のスケジュールおよび進行、安全教育。
ガイダンス②:研究倫理、レポートの書き方などの説明。

化学実験
1) 溶液濃度の測定
(メスフラスコ(Volumetric Flask)を使用して、既知濃度の溶液を調製し、実験器具の使用法を習得する。)
2) ホールピペットの検定
(ホールピペットの検定を通して容量分析に使用するガラス器具の検定の必要性および実験誤差について理解する。また、 実験器具の正しい取扱い方を習得する。)
3) 溶液密度の測定
(メスフラスコを用いて、さまざまな濃度の塩化ナトリウム水溶液を調製し、体積と重量から密度を算出する。また、濃度と密度から作成した検量線を用いて、濃度未知の塩化ナトリウム水溶液の密度から濃度を決定する。)
4) 毒劇物・危険物の取り扱い
 (実験試薬、溶媒[危険物、毒劇物]などの分類・管理・取扱い法について解説するとともに、関連する法令を学ぶ。実験で使用する試薬を規則に即して分類し、それぞれの試薬に関する知識を深める。
5) カフェインの抽出
(抽出実験をケーススタディーとする授業を通して、実験操作の原理・意味を理解するともに、実験の予習の仕方[試薬の性質の調べ方、フローチャートの書き方等]を習得する。

物理学実験
1) 単振動
(バネの単振動現象を観察し、バネ定数やバネの弾性エネルギーについて調べる)
2) 連成振り子
(2つの単振り子をバネでつないだ連成振り子を用い、連成振動の理論を学ぶ)
3) 気柱の共鳴
(気柱の共鳴現象を利用して音波の周波数を測定することにより波動について考える)
4) 直流回路
(電圧、電流、抵抗などの測定に関する基礎技術を身に付ける)
5) 交流回路
(交流回路における位相や複素表示の概念について学ぶ)

授業は原則対面で行うが、化学実験の「毒劇物・危険物の取り扱い」のみオンラインで実施する。詳細はガイダンス①で説明する。
履修条件・関連項目
実験実習を行うにあたっては、安全確保の観点からも予習は必須である。各人は実験テキストを精読し内容の十分な理解を図ると共に、実験手順のフローチャートを作成し、試薬の物理的・化学的性質を事前に調べ、実験ノートに記載しておくこと(3時間)。
 実験終了後には、実験レポートの作成を行う。所定の書式に従い、目的、実験操作、結果、考察、結論、参考文献を適切に記述し、決められた期日内に提出すること(12時間)。
 授業時間30時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。
学習内容は、本学の標準時間数に準じている。

その他
1)「学生教育研究災害傷害保険」に加入していること。
2) 安全規則(白衣、上履き用運動靴、保護メガネ、名札の着用など)を遵守する。詳細はガイダンスで説明する。

テキスト・教科書
学科で編集したテキストを用いる。

参考書
(実験全般)
「実験を安全に行うために(化学同人)」、「続 実験を安全に行うために(化学同人)」、「化学系実験の基礎と心得(頼実正弘 編・三共出版)」、「化学実験の安全指針(丸善)」

(物理学実験)
物理学通論(上下)原康夫,アトキンス 物理化学(上)

成績評価の方法
成績評価方法は、すべての出席を前提とし、学習意欲、小テスト・課題・レポート等を総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。評価の割合は以下の通りです。
平常点(毎回) 50%:実験への取り組み・参加度、履修態度、予習の充実度、実験手技の習熟度などを評価する。
レポート 点(小テスト・課題などを含む)(毎回)50%:提出状況、充実度(実験内容を正しく理解し、実験結果を正確に報告でき、更に結果について適切に考察できていること)を評価する。
以上を総合的に評価し、以下の 基準で単位を付与します。
S: 90 点以上、A:80 点以上 90 点未満、B:70 点以上 80 点未満、C:60 点以上 70 点未満。

実験は全日出席が原則である。遅刻、無断欠席、レポートの提出遅延や未提出、実験中の怠慢行為は、単位の取得が困難になることがある。

過去の成績分布状況
2019年度 S: 9%; A: 85%; B: 4%; C: 0%; D: 2%
2020年度 S: 10%; A: 68%; B: 13%; C: 2%; D: 7%
2021年度 S: 2%; A: 83%; B: 8%; C: 1%; D: 6%
教員から一言
本授業を通して基本的な履修態度を再度確認すること。例えば、1) 着衣、保護メガネ、実験中の態度に気を配り、安全への意識を高める、2) テキストを事前に熟読し、実験内容を理解する、3) 実験手順や留意点を実験ノートにまとめる、4) 化合物の化学的・物理的性質を調べる、ことを最低限実行すべきである。また、自分なりに観察した現象や得られたデータを解釈してレポートを作成する習慣を心がけること。
グループで行う実験であるが、各自積極的に参加すること。
キーワード
容量分析、滴定・振動・共鳴現象、電気回路、誘電緩和、基礎実験、有機化学、物理化学、無機化学、分析化学
オフィスアワー
実験中を含め随時対応する。教員の連絡先は、ガイダンス資料を参照すること。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/03/31 11:03:32