科目名[英文名] | |||||
力学Ⅱ [MechanicsⅡ] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 1~4 | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 021503 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
池田 浩治 [IKEDA Koji] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
GoogleClassroom のクラスコード : manz5oh 自動車や飛行機などわれわれの日常生活に深く関わりのある諸物体の運動は古典力学の法則(ニュートンの運動の法則)にしたがっていると考えられます。これに基づいて,実際の物体の運動を理解するためには、1)運動方程式を正しく作る、2)この方程式を数学的な条件式と考えて解く、3)得られた結果をもとに過去から未来に渡りどのような運動となるかを理解する、の三段階が必要です。そこで、いくつかの典型的な場合について、このプロセスの学習を行います。 このような取り扱いは、工学分野の専門科目を学ぶ上で基本的な姿勢となることから、「丸覚えでなく、しっかり理解して自分で使いこなせる」ためにも不可欠となります。 この科目「力学2」に先立って開講の「力学1」では、検討対象が大きさを意識しない「質点」、高校物理で学んだ運動方程式を数学的に見直すことにより運動の様子をより深く理解することを目指しましたが、この科目では 1)検討対象が「質点ではなく大きさを持つ物質」、それに伴い「力を加えるとその方向に加速するという『並進運動』」ではなく「大きさを持つ物体が力を受けると『回転運動』を考慮する必要がある、 2)複数の物体がたがいに力を及ぼす場合、それらを集団として取り扱うことを考慮する必要がある、 3)一つの運動を「二つの座標系」から観察した場合、どのように運動の様子が異なって見えるかを理解する必要がある、 といったもう1段階進めた考え方を理解することを行います。 *昨年度(2021年度)はオンライン形式での実施でしたが、今年度(2022年度)は対面式での実施を予定しています。コロナ蔓延状況によっては、このシラバスに記載された内容を後日見直す可能性があります。 |
到達基準 |
力学は物理学分野の基礎、土台であり今後の機械系専門分野への理解にも重要です。 したがって、本講義では 1)力が回転運動に与える影響を理解し、説明できる 2)万有引力の効果を理解し、嗅覚定理を用いて説明できる 3)慣性力をどのように考えると良いかを理解し、説明できる に加えて、 4)衝突現象を理解し、説明できる 5)たがいに力を及ぼしあう物体の運動を集団の運動としてどのように読み替えるかを理解し、説明できる 6)変形しない「剛体」の回転運動を理解し、説明できる を目標とします。 なお, 「特定の概念を端的に表す用語や言葉を用いた記述」 「その概念を表した数式表示」 「最終的な結果」 の3点が理工系における説明では不可欠な情報であることを理解して,それを「答案」として実現できることも求めます。 *履修案内のカリキュラムマップを参照してください |
授業内容 |
*以下は標準的な例です.R4年度分は初回に説明しますので,それに従ってください. *進み方は始めはゆっくり,回を重ねるごとにだんだん早くなります.これは,新しい考え方の理解を促したり,取り扱いに慣れるためには,はじめゆっくり進め,ある程度慣れてきたらすでに習った知識を活用してもらうためです 第1回 講義概要の説明,(6.1)力のモーメントを理解する 第2回 (6.2)角運動量を新たに定義する、(6.3)回転運動の運動方程式を導く 第3回 (6.4)中心力と呼ばれる力の効果を理解する、6章の振り返り 第4回 (7.1)万有引力が作用する場面に「嗅覚定理」を用いて大きさを持つ物体が生じる万有引力を導く 第5回 (7.2)惑星の運動を万有引力から理解する&(8.1)慣性力の考え方を理解する 第6回 前半のまとめ(第6章、第7章) 第7回 (8.2)遠心力、(8.3)コリオリ力を理解する 第8回 (8.4)回転座標系における運動方程式を理解する 第9回 (9.1)たがいに力を及ぼす二つの物体を対象に、重心、全運動量、重心の運動と重心に対する相対運動を理解する 第10回 (9.2)もっと数が多くなった場合の取り扱いを理解する 第11回 (9.3)二つの物体の衝突について理解を深める 第12回 (9.4)バネでつながれた二つの質点の運動の特徴を理解する 第13回 (10.1)剛体の安定条件、(10.2)剛体の回転の表し方を理解する 第14回 (10.3)回転軸周りの剛体の回転を理解する、(10.4)撃力を理解する 第15回 後半を中心に総まとめ |
履修条件・関連項目 |
高等学校で物理学を履修したことを前提とする。高等学校の数学、特に、ベクトル、微分積分の基本は知っているものとする。 授業時間(30時間)に加え、教科書や補助資料などを参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。 |
テキスト・教科書 |
平山修/篠原俊二郎著、「理工系のための解く!力学 第2版(第8刷)」講談社サイエンティフィク (最新版は「第8刷」のはず。第1版や,第2版(第1-7刷)からいろいろ改訂されているので,先輩から譲り受けた諸君は注意) |
参考書 |
特になし |
成績評価の方法 |
出席が大前提なので「出席すること自体は得点として評価しません」。 科目としての評価は、以下の2点。 1)定期試験 60% (中間30%、期末30%) 2)Quiz 40% (授業会に毎回jしっし) として総合評価します。 評価と総合点の関係は、 S: 90 点以上、A:80 点以上 90 点未満、B:70 点以上 80 点未満、C:60 点以上 70 点未満 となり、これらが「単位取得」です。 総点が60点未満は「D (不合格)」となり、単位は与えられません。 詳細については初回において説明します。 |
教員から一言 |
これから諸君が学習する機械システム工学科の専門科目の基礎は物理学(特に力学)です。 そして、その内容は「日常言語である日本語や英語ではなく、数式を用いて表現すると、正確かつ簡潔となる」ことを理解してもらう必要があります。 数式に慣れる、数式を見慣れる、を実現するためには、それらを的確に表現する「用語」を理解するとともに、「考え方」も理解してもらうことが重要です。 これらを確認するため、毎回の授業では「Quiz」を実施します。(「Classroom」を用いて行います) 教えるべき内容が多いため、雑談や説明内容を広げることにより時間不足となることを避けるために、事前に用意した動画を見てもらうことを中心に講義を進めますが、適宜動画再生中に補足します。 理解を促すための補足とはいえ、事前にどのような内容が抗議されるかは教科書を用いて予習しておくと、理解しやすいはずです。 事前準備なしでいきなり動画を見たり、補足説明を受けたりしても理解しにくいところが生じることは避けられません。 抗議の際に行う「Quiz」に関して、「点が取れない」は、予習していないことによる部分、前回までの内容について理解を深めず放置していたままだった結果、であることが多いと思います。 自分なりの知識の身につけ方、をこの科目の予習、復習から作り上げてもらえると良いと思います。 *動画についてメモが取れないので、資料をpdfの形で提供してほしい、というリクエストもありますが、これについては対応するつもりありません。知識を自分の言葉を使って表し直す、自分にとって理解しやすいようにまとめなおす、があなた自身にとって重要な作業であって、他人がまとめたものをそのまま利用する、では自分なりに理解する、まとめるといった能力が身に付けられません。 また、何でもかんでもメモを取ろうとして、メモを取りきれないのでもっとゆっくりした内容で、という要望もありますが、これについても対応すると森はありません。重要な、必要最低限の部分だけを記録することがメモなのです。自分のペースで記録することは自分自身で行うことであって、メモを取る説明そのものをゆっくりしてもらうことはむしろ逆効果です。 |
キーワード |
運動の記述法、ニュートンの運動の法則、運動方程式を解く、仕事とエネルギー、角運動量 |
オフィスアワー |
講義直後に対応します(時間的都合がつかない場合は、電子メールでの問い合わせに対応します) |
備考1 |
*受講生はClassroom経由で「力学2(池田浩治)」をかならず登録してください。 *「力学1」「力学2」において用いる数学的手法の関係から、、時間割から変更して「1学期の前半において、水曜日1時限目と木曜日5時限目に力学1を開講し、1学期の後半において、水曜日1時限目と木曜日5時限目に力学2を開講する」ことになります。 これは、それぞれにおいて扱う「数学的な手法」を「微分積分学」や「線型代数学」において学ぶタイミングとの兼ね合い、に加えて、「力学1」に続く内容が「力学2」であること、この2点が理由です。 学期初めに行う「履修登録」では、それぞれの科目を時間割通りに登録してもらうことになりますが、受講時間帯は上述の通りとなることに注意してください。(この点については、力学1の初回の講義において説明します) 注意1: 上記の通りの実施形態となるため、「力学1」や「力学2」を再履修の諸君は注意が必要です。 混乱を避けるために、事前に池田へ相談してしてください。(相談なしに履修登録して、後日不都合が生じても対応しかねます。 注意2: 「力学1」を、旧カリキュラム「物理学基礎」「物理学基礎演習」として再履修する場合は、単位取得した際にどの科目に振り替えるかについて注意が必要です。これは学期初めの履修登録にも関係しますので、事前に池田へ相談してください。(相談なしに履修登録して、後日不都合が生じても対応しかねます。 |
備考2 |
成績分布 2020年度はCOVID-19対応のため、全てオンラインでの実施となりました。 成績評価結果:2019年度以降はM科1年次を対象として1クラスで実施。 2020年度 S 18名、A 41名、B 26名、C 15名、D 14名(6) 2019年度 S 1名、A 10名、B 47名、C 46名、D 22名(5) *Dのカッコ内には評価対象として認められない欠席の多い受講生数を示した (参考)H30年度までは「物理学基礎」「物理学基礎演習」に別れていましたが、H31年度/令和元年からは両者を融合させた「力学1」として実施です。 参考のため、「物理学基礎」の成績分布(当時、池田が担当した1年次の半分)の成績分布について示します 2018年度 S16名,A13名,B 6名,C 9名,D14名(9名) 2017年度 S12名,A16名,B11名,C11名,D11名(0名) 2016年度 S13名,A14名,B12名,C14名,D 9名(2名) *Dのカッコ内には評価対象として認められない欠席の多い受講生数を示した |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/06/08 16:59:42 |