科目名[英文名]
計測・制御   [Measurement & Control]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022262
責任教員 [ローマ字表記]
石田 寛   [ISHIDA Hiroshi]
所属 生物システム応用科学府 研究室   メールアドレス

概要
高度な医療を実現するためには,健康状態をチェックする検査キットや,心身の状態を計測する診断装置が必要となる。しかし,いかなる検査キット,診断装置計測器も,誤差ゼロで計測を行うことはできない。本講義では,誤差の取扱い方法や最小二乗推定など,計測工学の基礎を学ぶ。また近年では,様々な医用装置が自動化,ロボット化されている。本講義では,フィードバック制御や状態方程式など,装置の自動化に必要な制御工学の基礎も学ぶ。

本科目は、生体医用システム工学科の専門科目に該当する。

Google Classroomのクラスコード:kuyacsh
(2022年9月30日更新)
到達基準
(1)測定値の期待値や分散及び誤差の伝播を理解し,測定誤差を正しく見積もることができる。
(2)連立方程式において,未知数の数と式の数が一致しない場合にも,最小二乗解を求めることができる。
(3)フィードバック制御を理解し,PID制御器を設計することができる。
(4)システムの状態方程式をたて,状態量を推定することができる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照せよ。
授業内容
※講義の進度に応じ,中間演習テストの実施日や試験範囲は変更になる可能性がある。

第1回 イントロダクション:医用装置の実例を示し,計測工学と制御工学を学ぶ意義を理解する。
第2回 制御の基礎:ラプラス変換を復習し,制御システム設計に必要となる伝達関数について学ぶ。
第3回 フィードバック制御の基礎:フィードバック制御の原理と,ブロック線図を学ぶ。
第4回 フィードバック制御の実際:伝達関数の基本要素を理解し,伝達関数の一般解を学ぶ。
第5回 フィードバック制御の安定判別(1):ラウス・フルビッツの安定判別法を学ぶ。
第6回 フィードバック制御の安定判別(2):根軌跡法による制御系設計と制御系の周波数応答を学ぶ。
第7回 フィードバック制御の安定判別(3):ナイキストの安定判別法,ボード線図,フィードバック制御系の定常特性を学ぶ。
第8回 PID制御と現代制御:PID制御の基礎と,状態方程式を用いた現代制御の基礎を学ぶ。
第9回 中間演習テスト:第2回から第8回までの内容について理解度を確認する。
第10回 測定値の分布:標本抽出の概念を理解し,計測誤差の確率的取扱いや不偏分散の計算法を学ぶ。
第11回 測定値誤差:誤差の伝播,デジタル計測における測定誤差,サンプリング定理を学ぶ。
第12回 最小二乗法の基礎:連立一次方程式の最小二乗解,係数行列の階数と解の個数の関係を学ぶ。
第13回 最小二乗法の実際(1):行列を使った最小二乗解の計算法と擬似逆行列について学ぶ。
第14回 最小二乗法の実際(2):特異値分解を使った逆行列計算,非線形最小二乗法について学ぶ。
第15回 期末演習テスト:第10回から第14回までの内容について理解度を確認する。
履修条件・関連項目
本講義は数学系科目や電気回路,電子回路で学んだ内容を基礎とするので,これらを受講していることが望ましい。授業時間30時間に加え,配布した講義資料や参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
指定しない。
参考書
計測工学,計測システム工学,制御工学などの各種教科書を参考にすると良い。
成績評価の方法
中間演習テスト(40%)と期末演習テスト(40%)に加え,講義中に課した課題の解答状況(20%)により成績を評価する。授業で扱った内容を正しく理解し、説明できることが評価のポイントとなる。
講義をオンラインで実施する場合には,評価方法を以下のように変更する。
毎回の出席を必須条件とし,講義中に出す課題の解答状況(30%),中間レポート(30%)と期末演習テスト(40%)により成績を評価する。
教員から一言
数学的厳密性よりも,実感を伴って原理を理解できるような説明を心がけます。
キーワード
計測工学,制御工学,信号処理
オフィスアワー
毎週火曜日の13時から14時までをオフィスアワーとする。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/30 21:43:00