科目名[英文名] | |||||
無機化学Ⅲ [Inorganic Chemistry Ⅲ] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 022373 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
岩間 悦郎 [IWAMA Etsuro] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | 岩間研(N408号室) | メールアドレス |
概要 |
無機化学は非常に膨大な分野を包含しているため、一般に各論的になりがちであり、体系的に理解しにくいと考えられるが、本講義では、無機化学をできるだけ体系的に理解するために、全元素の化学という立場に立ちながら、無機化学Ⅰに引き続いて、無機化合物の合成、構造、物理および化学的性質を系統的に理解することを目的とする。特に、化学結合に関する高校までの便宜的な知識から脱却し、量子化学に基づいた正しい理解を習得する。配位化合物の結合、立体構造、電子状態などについて結晶場理論、原子価結合法、配位子場理論に基づいて解説し、d軌道を含んだ化学結合の概念を理解する。また、無機物質も分子・原子の概念で統一的に理解するための基礎、配位化合物の命名法の原則、配位化合物の基礎的反応として配位子交換反応などについても学習する。 Google Classroom code : r4od6ew |
到達基準 |
(1) 化学結合について量子化学に基づいた正しい理解ができる。 (2) 配位化合物の結合、立体構造、電子状態、化学的性質などについて、結晶場理論、原子価結合法、配位子場理論の観点から説明できる。 (3) 正しい原則にしたがって、配位化合物の命名ができる。 (4) 配位化合物の反応について、正しく理解し説明できる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照のこと。 |
授業内容 |
無機化学は、有機物質の化学に比べて元素の種類や地球上での量も圧倒的に多く、そのためその構造や反応性は多様性に富んでいる。無機物質は、鉱物、磁性体、金属製品、酸、アルカリなどはもちろん、ニューマテリアル、有機合成、触媒、金属酵素やミネラル、生命化学、医薬品など多方面の分野で取り扱われる。これらは、あまりにも多岐にわたっているため、統括的に理解するのは困難であることから、従来、無機化学の多くは元素別の各論として取り扱われてきた。そのため、無機化学は暗記物のように取られていた面があったが、量子化学や化学結合の概念や、溶液中で取り扱うことのできる金属錯体の構造が明らかにされるに従って、無機化合物といえども分子レベルで理解することができるようになってきた。本講義では、無機化合物の構造、電子状態、反応性などを系統的に理解することを目的としている。そのため、元素別の各論については、重要ではあるもののあまり触れないので、各人が教科書を熟読して理解するようにしておいていただきたい。また、無機化学ⅠおよびIIで学んだ基礎的事項は充分理解しておいていただきたい。以下に講義内容を記す。 第1回:ガイダンス 第2回:化学結合 第3回:配位化合物 第4回:d-ブロック元素 第5回:d金属錯体 I: 結晶場理論 第6回:d金属錯体 II:配位子場理論 第7回:d金属錯体 III:電子スペクトルと磁性 第8回:中間まとめ 中間理解度確認 第9回:配位化学I 第10回:配位化学II 第11回: d金属の有機化学I 第12回:d金属の有機化学II 第13回:fブロック元素 第14回:生体内における遷移金属、金属酵素 第15回:期末まとめ 総合理解度確認 |
履修条件・関連項目 |
少なくとも無機化学ⅠおよびIIを履修していること。1年で履修する他の化学系基礎科目も履修していることが望ましい。 |
テキスト・教科書 |
シュライバー・アトキンス「無機化学」上および下 第6版。必要に応じて適宜プリント等を配布する。 |
参考書 |
コットン、ウィルキンソン、ガウス「基礎無機化学」 |
成績評価の方法 |
毎回行う小テスト含む平常点(20%)、中間(40%)および総合理解度確認(40%) 2021年の成績分布 : S 2.2%, A 31.1%, B 28.9%, C 22.2%, D 6.7% (E 8.9%) |
教員から一言 |
化学系基礎科目はまんべんなく履修すること。無機化学を有機化学の目で、有機化学を無機化学の目で見て下さい。化学のおもしろさが倍増するはずです。化学を学ぶ際、広い視野を持って勉強して下さい。化学における基礎として 最低必要な内容を解説するのでよく理解して下さい。分からないことがある場合はいつでも、聞いてください。 |
キーワード |
分子構造、分子軌道法、金属錯体、原子価結合法、結晶場理論 |
オフィスアワー |
教員居室:新1号館408号室、オフィスアワーは特に定めず、原則として在室時は質問等受け付ける(メール等による事前のコンタクトが望ましい)。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/03/16 0:54:13 |