科目名[英文名] | |||||
有機化学Ⅲ [Organic ChemistryⅢ] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 022378 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
中野 幸司 [NAKANO Koji] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
本科目は,応用化学科カリキュラムにおける「専門基礎科目」の「有機化学」に区分される科目の一つであり,有機化学I, IIに引き続き,有機化学の基礎的知識と概念を系統的に学ぶ. 特に,有機化学を学ぶ者が最低限知っておくべき「有機金属化合物による反応」,「ラジカル反応」,「カルボニル化合物の反応」および「芳香族化合物の反応」について解説する.有機合成化学の根幹をなす炭素-炭素結合の形成に関する反応を数多く取り上げるが,「なぜそのような反応が起きるのか」という原理を理解できるように解説する. 講義では,ppt資料をスクリーンに投影して解説する.用いるppt資料は事前にGoogle Classroom上で配布するので,各自ダウンロードし,印刷しておく.この事前配布資料では,講義中に解説する内容の一部(構造式など)が空欄になっているので,受講しながら各自で記入していき,資料を完成させていく. Google Classroomのクラスコード:mvqwlt7 |
到達基準 |
・有機化合物の反応のうち,有機化学で多用される基礎的な有機金属化合物の反応性を理解し,説明できること. ・ラジカルの反応性に関する特徴を説明できること. ・カルボニル化合物の性質,ならびにこれらの化合物にみられる置換反応や縮合反応などとその反応機構が説明できること. ・芳香族化合物の性質と反応ならびに配向性に関する十分な理解があり,反応の予測ができること. ・これらの範囲における生成物から,その合成原料となる出発物質が予想でき,反応経路が説明できること. 本科目のカリキュラムポリシーの観点については,工学部履修案内のカリキュラムマップを参照すること. |
授業内容 |
【第1回】「有機金属化合物」 有機典型金属化合物、クロスカップリング反応、溝呂木Heck反応、アルケンメタセシス(教科書第12章) 【第2回】「ラジカル・アルカンの反応」 アルキルハロゲン化合物、ラジカルの安定性、ラジカルの反応性、ラジカル置換とラジカル付加の立体化学、ベンジル位とアリル位水素のラジカル置換反応(教科書第13章) 【第3回】「カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応(その1)」 カルボン酸とカルボン酸誘導体の命名、構造と物理的性質、反応性と反応性の比較、求核付加-脱離の一般性(教科書第16章) 【第4回】「カルボン酸とカルボン酸の誘導体の反応 (その2)」 塩化アシルの反応、エステルの反応、エステルの加水分解とエステル交換反応、求核付加と脱離(教科書第16章) 【第5回】「カルボン酸とカルボン酸の誘導体の反応 (その3)」 カルボン酸、アミド、ニトリル、酸無水物、ジカルボン酸(教科書第16章) 【第6回】まとめ 「中間試験」 出題範囲:教科書第12章、第13章、第16章 【第7回】「アルデヒドとケトンの反応・カルボン酸誘導体とその他の反応・α,β-不飽和カルボニル化合物の反応(その1)」 アルデヒド、ケトンの命名、カルボニル化合物の反応性の比較、Grignard試薬との反応、カルボニル化合物とアセチリドとの反応、シアン化物イオンとの反応、ヒドリドイオンとの反応、還元反応(教科書第17章) 【第8回】「アルデヒドとケトンの反応・カルボン酸誘導体とその他の反応・α,β-不飽和カルボニル化合物の反応(その2)」 アミンとの反応、水との反応、アルコールとの反応、保護基、Wittig反応、a,b-不飽和カルボニル化合物の反応(教科書第17章) 【第9回】「カルボニル化合物のα炭素の反応(その1)」 α水素の酸性度、互変異性、ハロゲン化、HVZ反応(教科書第18章) 【第10回】「カルボニル化合物のα炭素の反応(その2)」 エノラート、α炭素のアルキル化、Michael反応、アルドール付加(教科書第18章) 【第11回】「カルボニル化合物のα炭素の反応(その3)」 Claisen縮合、分子内縮合、Robinson環化、マロン酸エステル合成、アセト酢酸エステル合成、生体反応(教科書第18章) 【第12回】「ベンゼンおよび置換ベンゼンの反応(その1)」 ベンゼン誘導体の命名、芳香族求電子置換反応、ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化(教科書第19章) 【第13回】「ベンゼンおよび置換ベンゼンの反応(その2)」 Friedel-Crafts反応、クロスカップリング反応、ベンゼン環上の置換基変換反応、多置換ベンゼン(教科書第19章) 【第14回】「ベンゼンおよび置換ベンゼンの反応(その3)」 置換基効果、配向性、pKaと置換基、三置換ベンゼンの合成、ジアゾニウム塩を利用した合成、芳香族求核置換反応(教科書第19章) 【第15回】まとめ 「期末試験」 出題範囲:教科書17章〜19章 |
履修条件・関連項目 |
応用化学科における専門基礎科目に区分される有機化学科目群の一つであるため,「有機化学I」,「有機化学II」に関する十分な知識が求められる.授業時間30時間に加え,同等時間以上の予習・復習が必須である. |
テキスト・教科書 |
ブルース有機化学(上)第7版、化学同人ISBN978-4-7598-15854-9および下巻ISBN978-4-7598-1585-6 |
参考書 |
講義で使用する資料や課題などは,Google Classroom上で配布する |
成績評価の方法 |
成績評価方法は,すべての出席を前提とし,双方向性を利用した授業参加度,小テストおよび課題,定期試験等を総合的に評価し,本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与する. 平常点(授業参加度,小テスト,課題など)20%,中間テスト30%,期末テスト50%で評価する. 各用語の定義,反応の形式や機構を理解しているか,構造式を正しく記載できるか,などが評価のポイントとなる. 総合評価により以下の基準で単位を付与する.S: 90点以上,A:80点以上90点未満,B:70点以上80点未満,C:60点以上70点未満. なお,C1クラスの平野教員担当分とは連携して公平性を担保した最終評価とします. 成績分布: 2020年度 S 6%, A 32%, B 43%, C 15%, D 4% 2021年度 S 2%,A 22%, B 39%, C 15%, D 22% |
教員から一言 |
キーワード |
オフィスアワー |
居室(4号館217号室)にいる時であればいつでも対応します.事前に連絡していただけると確実です(e-mail: k_nakano@cc.tuat.ac.jp; Tel: 042-388-7162) |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/01/28 22:55:02 |