科目名[英文名]
化学結合論   [Introduction to Chemical Bonding]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 022379
責任教員 [ローマ字表記]
齊藤 亜紀夫   [SAITO Akio]
所属 グローバルイノベーション研究院 研究室   メールアドレス

概要
分子や物質の振る舞いを理解する上で、原子間の結びつきである”化学結合”を理解することは必要不可欠である。本講義では、近代における化学結合の考え方の歴史的変遷や量子化学的な観点を踏まえ,化学結合を解説する。
本科目では、パワーポイントを使用して講義形式で説明する。また、各回の講義で補助プリントを配布する。
google classroom code:be55lcz
到達基準
1)狭義の化学結合から分子間相互作用までを理解し、物質の構造と性質を説明できる。
2)広義の化学結合を分子軌道的手法により説明できる。
3)物質の電子状態を分子軌道的手法により説明できる。

本科?のディプロマ・ポリシーの観点: 履修案内のカリキュラムマップを参照すること。
授業内容
第1回:イントロダクション/原子の構造と性質(第1章)
原子核の構成、原子の質量、核融合と核分裂、原子量と物質量、原子核の大きさ
第2回:原子軌道と電子配置(第2章)
古典電子構造、量子数と原子軌道関数、原子軌道の形、軌道エネルギーと周期表、イオン化エネルギーと電気陰性度
第3回:分子軌道と共有結合(第3章)
原子価結合法、結合性軌道と反結合性軌道、分子の電子配置、結合エネルギーと結合距離、結合次数
第4回:異核二原子分子と電気双極子モーメント(第4章)
異核二原子分子の共有結合・結合距離・電子配置、電気双極子モーメント
第5回:混成軌道と分子の形(第5章)
混成軌道、オクテット則、VSEPR理論(分子の形)、特殊な共有結合(3c-2e結合)
第6回:配位結合と金属錯体(第6章)
配位結合、配位子と金属錯体、4配位錯体、6配位錯体、磁気双極子モーメント
第7回:第1〜6回講義のまとめ
中間試験
第8回:パイ結合と共役二重結合(第8章)
パイ結合、共役二重結合、ベンゼンの安定化エネルギー、分子軌道と化学結合(フロンティア軌道論)
第9回:イオン結合とイオン結晶(第10章)
結晶構造、イオン結晶、イオン半径
第10回:金属結合と金属結晶(第11章)
色々な金属、自由電子と結合エネルギー、金属の性質、最密充填と単位格子、金属結晶構造、金属結合半径
第11回:共有結合と巨大分子(第9章)
ポリエチレンとゴム、グラフェン、グラファイト、ナノチューブ、フラーレン、ダイヤモンド
第12回:水素結合と生体分子(第12章)
水の相変化、水素結合ネットワーク、氷の構造、溶解度と沸点、生体分子
第13回:疎水結合と界面活性剤(第13章)
水と油、表面張力、両親媒性と洗剤、ミセル構造、リポソームと細胞膜
第14回:ファンデルワールス結合と分子結晶(第14章)
二酸化炭素の相変化、分子間力、誘起電気双極子モーメントと分子間力、分散力と分子結晶、ファンデルワールス半径
第15回:第8〜14回講義のまとめ
期末試験
履修条件・関連項目
学科基礎専門科目に区分され、学科が推奨する有機化学系科目である。
授業時間30時間に加え、教科書や配布資料を参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
有機化学IからⅡをすでに修得していることが望ましい。
テキスト・教科書
物理化学入門シリーズ「化学結合論」 裳華房 ISBN 978-4-7853-3417-8
参考書
現代物性化学の基礎-化学結合論によるアプロ-チ-新版 講談社 ISBN 978-4-06-154369-0
成績評価の方法
中間と期末(50%ずつ)での評価を基本の形とする。なお、オンライン教育における成績評価方法は、すべての出席を前提とし、双方向性を利用した学習意欲とオンラインテストを総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。評価の割合は初回講義で示した通りです。
教員から一言
高校校までに学習した「化学結合」を、波動関数という新しい概念で理解するため、高校校までの学習内容があいまいな場合は、よく復習しておくこと。他の科目の関連内容は講義中に指摘をするので、わからない場合は必ずチェックしておくこと。
キーワード
化学結合,量子論,分子構造,分子軌道法,共有結合, 金属結合, 配位結合, 水素結合, 分子間力
オフィスアワー
教官が在室していれば、質問等随時対応する(教員居室:1号館S209号室)
備考1
R2の成績分布:S 5%, A 23%, B 30%, C 34%, D 8%
R3の成績分布:S 7%, A 22%, B 28%, C 24%, D 18%
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~akio-sai/index.html
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/03/31 9:33:23