科目名[英文名]
機器分析Ⅰ   [Instrumental AnalysisⅠ]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022384
責任教員 [ローマ字表記]
岡本 昭子, 加納 太一   [OKAMOTO Akiko, KANO Taichi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
有機化合物・高分子材料を分析・評価する上で必要な各種機器分析法の基礎,特にその基本原理の理解を目指す。有機化合物に関する分析手法には,①質量分析法,②赤外分光法,③プロトン核磁気共鳴分光法、④炭素-13核磁気共鳴分光法,などの分子構造解析の必須の手段に加え,近年の構造および物質情報解析技術の大きな発展の成果を受けて,卒業研究以降の実際の研究開発においては⑤X線結晶構造解析,⑥クロマトグラフィー,⑦熱分析等,を駆使し. 多様な構造等の物質の情報を基にした多角的な解析と整理が必要となってくるであろう。本講義では,有機化合物・高分子材料に関する基本的な分析の原理の理解と実際的な分析例を学ぶことで,有機化合物・高分子材料の分析・解析に関する俯瞰的な基盤力を修得する。講義は前半後半に分けて行う。前半では①, ②, ⑤〜⑦の分光分析,分離分析,熱分析などを幅広く学ぶ。後半では,有機化合物の実践的構造解析として,特に③プロトン核磁気共鳴分光法に力点を置きつつ,①から④を組み合わせたスペクトル解析に基づいて,様々な有機分子の構造を合理的に同定する実践的な実力を養う。有機化学IからIIIで修得した内容を踏まえて有機分子,高分子の構造を決定する能力を向上させる。
 なお,本科目は,応用化学科カリキュラムにおいて,「専門科目」の「専門科目Ⅱ類」に区分される。
クラスコード:q7j7huw
到達基準
①質量分析法,②赤外分光法,③プロトン核磁気共鳴分光法,④炭素-13核磁気共鳴分光法,⑤X線結晶構造解析,⑥クロマトグラフィー,⑦熱分析,について,基礎的な原理や分析方法を理解できる。得られた情報を統合して,典型的な構造を持つ有機分子の構造を決定できる力を身に付ける。ディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照のこと。
授業内容
【第1回】 授業全体のイントロダクションおよび赤外分光法 (1)
【第2回】 赤外分光法 (2)
【第3回】 質量分析(1)
【第4回】 質量分析(2)
【第5回】 クロマトグラフィー(1)[ガスクロマトグラフィー]
【第6回】 クロマトグラフィー(2)[液体クロマトグラフィー,ゲル浸透クロマトグラフィー,
      薄層クロマトグラフィー] および熱分析
【第7回】 X線結晶構造解析
【第8回】 前半の復習
中間試験(第1-7回の講義内容から出題)
【第9回】 プロトン核磁気共鳴分光法(1)
【第10回】 プロトン核磁気共鳴分光法(2)
【第11回】 プロトン核磁気共鳴分光法(3)
【第12回】 プロトン核磁気共鳴分光法(4)
【第13回】 プロトン核磁気共鳴分光法(5)
【第14回】 炭素-13核磁気共鳴分光法(1)
【第15回】 炭素-13核磁気共鳴分光法(2)
【第16回】 後半の復習
期末試験(第9-15回の講義内容から出題)
履修条件・関連項目
有機化学Ⅰ-III を履修済みのこと。
学科専門科目に区分される。
授業時間30時間に加え,教科書や参考書を参照し,本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
1) 井村久則・樋上照男編「基礎から学ぶ機器分析化学」化学同人 
2) 有機化学のためのスペクトル解析法 [第二版]有機化学のためのスペクトル解析法
M. Hesse, H. Meier, B. Zeeh 著 野村正勝監訳 馬場章夫、三浦雅博ほか訳
化学同人 ISBN: 978-4-7598-1193-3 
3) ブルース有機化学第7版
参考書
1) 有機化合物のスペクトルによる同定法(第7版)SILVERSTEINら著 荒木ら訳 東京化学同人 
ISBN: 4-8079-0633-X
2) 演習で学ぶ 有機化合物のスペクトル解析、横山泰・廣田洋・石原晋次著
東京化学同人 ISBN: 978-4-8079-0725-0
3) テキストブック 有機スペクトル解析 楠見武徳著 裳華房
ISBN: 978-4-7853-3509-0
4) 庄野利之他「新版 入門機器分析化学」三共出版
成績評価の方法
成績評価の方法:前半の講義分(50%),後半の講義分(50%)の合計で評価する。中間試験・期末試験の他, 受講者の理解度に応じて課題を課し,評価に含める場合もある。
課題:その回で取り扱った講義内容を踏まえ,原理の洞察と化合物解析に至る合理的な説明ができることを評価のポイントとする。提出期限は課題の内容に応じ変わる。担当教員のアナウンスに従うこと。
定期試験:講義で取り扱った分析に関する原理,方法,分析で得られる情報,に関する知識,具体的な事例の理解,系統的に情報を整理して未知化合物の解析を行えることを評価する。
教員から一言
スペクトル解析による有機化合物の構造決定は,卒業研究以降の実際の研究開発において必要不可欠です。初めは難しくても,演習を重ねると次第に分子構造を合理的に決定していくアプローチの面白さ・素晴らしさを体感できるはずです。本講義でそのキッカケを掴み,分子構造を同定する有機化学の基礎を修得しましょう。
キーワード
質量分析法,赤外分光法,プロトン核磁気共鳴分光法,炭素-13核磁気共鳴分光法,X線結晶構造解析,クロマトグラフィー,熱分析
オフィスアワー
オフィスアワー:授業担当教員の指定する部屋;質問は随時受け付ける。居室を訪問する場合はアポイントメントを取ること。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/28 16:54:21