科目名[英文名] | |||||
応用化学実験Ⅰ [Experiments in Applied ChemistryⅠ] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 3 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 022388 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
沖田 尚久, 遠藤 理, 小峰 伸之 [OKITA Naohisa, ENDO Osamu, KOMINE Nobuyuki] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
【目的】応用化学実験Iは、応用化学科で開講される実験科目(I-III)の内、物理化学、無機化学及び分析化学に関連した実験・実習を8テーマを実施し、これらの基本的操作と実験法の習得を目的とする。 【概要】応用化学実験Iは、応用化学科で開講される実験科目(I-III)の内、物理化学、無機化学及び分析化学に関連した実験・実習を実施する。本実験は、「物理化学実験」および「無機化学及び分析化学」の2つのパートからなる。クラスをC1とC2の2クラスに分け、一方のクラスは物理化学実験を行ったあと無機化学および分析化学実験を行う。他方のクラスは、先に無機化学および分析化学実験を行ったあと物理化学実験を行う。 「物理化学実験」では、熱力学的な物理量の測定実験を通じて物理化学の実験操作を習得するとともに、実験と理論との対応を理解する。実験結果を整理するためのデータの取り扱いと適切な図表の作成法を習得する。 「無機化学及び分析化学実験」では、滴定を中心とした分析実験を通して実験操作や器具の取り扱いに慣れ、正確な測定結果が得られるよう安全かつ慎重な基礎実験技術を習得するとともに、誤差、有効数字の正しい取り扱いに習熟する。また、吸光光度分析や無機錯体の異性体に関して分子模型による演習を行う。 google classroom クラスコード:knh64mf |
到達基準 |
「物理化学実験」では、講義で学習するエンタルピー、エントロピー、化学ポテンシャルのような概念が実際の系を理解する上で重要であることを理解し、熱力学的な物理量の測定法を習得できる。 「無機化学及び分析化学実験」では、分析手法(化学分析)や物質合成等の実験を通して、無機・分析化学の講義で学習した知識を確実なものとし、基礎的実験技術を習得することができる。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください。 |
授業内容 |
応用化学実験Iでは、以下のテーマを実施する。グループで行うテーマもあるので、全体ガイダンス(日時:後日指定、持ち物:2022年度版学生実験テキスト、筆記用具)にてスケジュール・集合場所等を確認すること。 物理化学実験 1. 実験ガイダンス: 物理化学実験内容の解説と実験を行う上での注意事項の確認、安全講習。 2. 反応熱の測定:塩酸とマグネシウムの反応を通じてエンタルピーと反応熱の概念を学ぶ。また氷の融解による体積変化を利用した反応熱の測定法について学ぶ。 3. 凝固点降下:スクロース水溶液の凝固点測定を行い、溶液中の凝固点降下現象の熱力学的な理論、熱電対の原理について学習する。また,最小二乗法についてあわせて習得する。 4. 部分モル体積:Aという液体20 mlとBという液体80 mlを混ぜた時に必ずしも100 mlにならないことを実験で確かめ、化学ポテンシャルの概念を用いて理由を考察する。 5. 固体の溶解度:溶解の熱力学的概念を理解し、温度に依存する溶解度の変化を観察する。紫外光吸収分光(UV)による濃度測定から溶解度を把握する。本実験はオンラインで実施する。 6. ゴム弾性・レオロジー:ゴム弾性がエントロピー弾性であることを理解する。また、レオロジーという概念を日常の様々な現象との関連を通じて学ぶ。 7. 電解質溶液の電気伝導度:強電解質と弱電解質溶液の電気伝導度の濃度依存性の違いを学ぶ。 無機・分析化学実験 1. 実験ガイダンス:無機・分析化学実験内容の解説と実験を行う上での注意事項の確認、安全講習を行う。 2. 中和滴定:容量分析の代表的な例として、酸塩基反応を用いた中和滴定を行なう。二次標準溶液の調製及び酸塩基指示薬を用いる滴定操作を習得する。また、ガラス電極pHメーターを用いて中和滴定を行い、pH滴定曲線を作成する。滴定曲線より中和反応の当量点を求めるとともに、滴定曲線の形状や酸の強弱、ガラス電極の作動原理等について学ぶ。 3. 錯滴定:EDTA溶液を亜鉛一次標準溶液により標定し、錯形成反応や金属指示薬について学習するとともに錯滴定法についての理論と実験操作を習得する。また、これを利用して石灰岩中に含まれるカルシウムとマグネシウムの分別定量を行う。 4. 酸化還元滴定:チオ硫酸ナトリウムとヨウ素間の酸化還元反応を利用して、酸化還元滴定によりアセトンの純度を求める。実験操作及び実験結果の考察を通じて、酸化還元反応及び酸化還元滴定法を理解する。 5. 統計処理実習:粒子径分布を実際に計測し、実験データ処理法について学ぶ。 6. 粉末X線回折:結晶性材料にX線を照射し、回折されたX線の強度を測定することにより、試料の同定や結晶構造の情報を得ることが可能である。粉末回折法により未知試料を同定し、結晶構造の評価方法について理解を深める。 7. 分子模型実習1:HGS分子模型を用いて、種々の立体構造を持つ金属錯体をつくり、有機分子とは異なる異性体の存在について理解することを目的とする。 8.分子模型実習2:コンピュータを使用した分子モデリングを行う。IRスペクトルやUVスペクトルを計算することにより、これらのスペクトルの理解を深めるとともに、基礎的な量子化学計算手法を習得する。 |
履修条件・関連項目 |
実験実習を行うにあたっては、安全確保の観点からも予習は必須である。各人は実験テキストを精読し内容の十分な理解を図ると共に、実験手順のフローチャートを作成するなどし、試薬の物理的・化学的性質を事前に調べ、実験ノートに記載しておくこと(15時間)。 実験終了後には、実験レポートの作成を行う。所定の書式に従い、目的、実験操作、結果、考察、結論、参考文献を適切に記述し、決められた期日内に提出すること(30時間)。 授業時間90時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。学習内容は、本学の標準時間数に準じている。 その他 1)「学生教育研究災害傷害保険」に加入していること。 2) 安全規則(白衣、上履き用運動靴、保護メガネ、名札の着用など)を遵守する。詳細はガイダンスで説明する。 実験に関わる授業時間に加え,指示された資料などを参照し,本学の標準時間に準ずる予習と復習や調査を行なった上でレポート作成を行うこと。 |
テキスト・教科書 |
応用化学科実験テキスト(2022年度版)を使用する。 |
参考書 |
P. W. Atkins、J. de Paula 著、中野元裕、上田貴洋、奥村光隆、北河康隆 訳「物理化学(上)」東京化学同人 「実験を安全に行うために(化学同人)」、「続 実験を安全に行うために(化学同人)」、「化学系実験の基礎と心得(頼実正弘編・三共出版)」、「化学実験の安全指針(丸善)」および「化学のレポートと論文の書き方(泉美治他著、化学同人)」を事前に熟読しておくこと。 |
成績評価の方法 |
レポート点(テスト点を含む)(50%)と平常点(授業への参加意欲や実験中の履修態度などを含む) (50%)を総合して評価する。ガイダンス、講義、実験は全日出席が原則である。遅刻、無断欠席、レポートの提出遅延や未提出、実験中の怠慢行為により、単位の取得が困難になることもある。 |
教員から一言 |
実験における安全確保は何よりも優先される。周到な実験準備,適切な服装,実験態度で臨むこと。 |
キーワード |
物理化学、熱力学、無機化学,分析化学 |
オフィスアワー |
随時対応する。教員の連絡先は、ガイダンス資料を参照すること。 |
備考1 |
1) レポート締切日時: 原則として指定日の午前8時40分 2) 出欠点呼: 13時開始 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/03/15 15:03:21 |