科目名[英文名]
量子力学および演習   [Quantum Mechanics & Exercises]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 3 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022462
責任教員 [ローマ字表記]
畠山 温   [HATAKEYAMA Atsushi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
学科カリキュラムの中の専門基礎科目の選択必修科目として,すべての物質科学の基礎となる量子力学を学ぶ。まず,基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を一次元の問題に適応して解きながら,量子力学の特徴を理解する。その上で,量子力学の基本的枠組みを,数学的な道具立てを整理しつつ考える。さらに,角運動量の基礎を学んだ後,三次元のシュレーディンガー方程式を解き,水素原子の内部構造を理解する。講義と並行して,概念獲得を狙ったディスカッションや理解定着を狙った問題演習を随時行う。
Classcord: siffn2h
到達基準
量子力学について以下の基準を達成すること。
1. 量子力学の基本的概念(波動関数の意味,演算子の意味,測定など)を理解している。
2. 1次元の簡単なポテンシャルの場合について時間を含まないシュレーディンガー方程式を解き,量子力学的な状態の特徴を説明できる(非束縛状態,束縛状態の両方について)。
3. 量子力学を記述するための理論的な枠組みを理解している。特に,ブラとケットを使って議論できる。
4. 水素原子の内部構造を説明できる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点:履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回:波動関数とシュレーディンガー方程式,演算子と期待値
第2回:定常状態
第3回:束縛状態(1) 井戸型ポテンシャル
第4回:束縛状態(2) 調和振動子型ポテンシャル
第5回:反射と透過
第6回:量子力学の骨組み(1) ブラ・ケット記法の導入
第7回:量子力学の骨組み(2) 固有値・固有ケットと測定
第8回:量子力学の骨組み(3) ケットと波動関数の対応
第9回:量子力学の骨組み(4) 観測における不確定性関係
第10回:角運動量の一般論
第11回:スピン角運動量
第12回:水素原子(1) 中心ポテンシャル中の粒子
第13回:水素原子(2) エネルギー固有値
第14回:化学結合入門/量子コンピュータ入門
第15回:試験/まとめ
履修条件・関連項目
授業時間45時間に加え、レポート課題等に取り組み、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
畠山温,「量子力学」(日本評論社)
参考書
【1】猪木,河合「基礎 量子力学」(講談社サイエンティフィク):基礎的な事項にしぼってあるが,大学の学部で習う量子力学の基本的な内容を網羅している。問題に対する解答が丁寧に説明してあるのが特徴。なお,同じ著者による「量子力学I・II」はもう少し高度な内容を扱っている同様の特徴を持つテキスト。
【2】サクライ「現代の量子力学 上・下」(吉岡書店):歴史的な量子力学発展の経緯に縛られず,量子力学の本質が理解しやすいように書かれた教科書。【1】などでシュレーディンガー方程式の解法にある程度慣れた後で読むことを想定されている。
【3】清水「新版 量子論の基礎」(サイエンス社):【2】と同様に歴史的な経緯に縛られずに書かれた教科書で,初めて量子力学を学ぶ人が量子論の本質に早くたどり着くことを意図した,量子力学の入門書。
【4】フェイヤー(谷訳)「量子力学 物質科学に向けて」(東京大学出版会):物質科学向けに,特に光と物質の相互作用の勉強につながるように構成された教科書。1冊目に読む教科書としては難しいかもしれないが,本講義を受講した学生であれば,読み進めやすいであろう。
成績評価の方法
講義ディスカッション中の発言:10%,講義中のクイズ:20%,演習問題:35%,期末試験:35%
教員から一言
量子力学は,人類に「古典的」世界観の変更を迫り,科学の世界を超えた革命を起こしました。そして,現代のエレクトロニクスを中心とした科学技術の基礎となっています。大学で物理学を学ぶみなさんにはぜひこの量子力学に慣れ,その本質を理解してもらいたいと思います。講義でも,まずシュレーディンガー方程式を解くことで量子力学の世界に触れ,その後,理論的枠組みを整理して行きます。
キーワード
波動関数,シュレーディンガー方程式,井戸型ポテンシャル,調和振動子,トンネル効果,ブラ・ケット,演算子,観測,角運動量,スピン,水素原子
オフィスアワー
メールやClassroomで随時受け付けます。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/21 8:55:00