科目名[英文名]
物理学基礎演習   [Physics Basics and Exercises]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 022548
責任教員 [ローマ字表記]
池田 浩治   [IKEDA Koji]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
[この科目は、旧カリキュラム科目です。2019年度以降入学の諸君は「力学1」を参照してください]
この科目は、現行カリキュラム「力学1」を受講してもらうことになります


GoogleClassroom のクラスコード : rhjjhv5

自動車や飛行機などわれわれの日常生活に深く関わりのある諸物体の運動は古典力学の法則(ニュートンの運動の法則)にしたがっていると考えられます。これに基づいて,実際の物体の運動を理解するためには、1)運動方程式を正しく作る、2)この方程式を数学的な条件式と考えて解く、3)得られた結果をもとに過去から未来に渡りどのような運動となるかを理解する、の三段階が必要です。そこで、いくつかの典型的な場合について、このプロセスの学習を行います。
このような取り扱いは、工学分野の専門科目を学ぶ上で基本的な姿勢となることから、「丸覚えでなく、しっかり理解して自分で使いこなせる」ためにも不可欠となります。
この科目の対象は大きさを意識しない「質点」が中心ですが、運動方程式を拡張するだけでなく、仕事とエネルギーの概念を導入し、運動方程式とは異なる観点から運動についての理解を深めます。また回転運動の理解を深めるために角運動量の概念を学習します。これらの概念の理解に必要な数学については、そのつど説明します。


*昨年度(2021年度)はオンライン形式での実施でしたが、今年度(2022年度)は対面式での実施が予定されています。コロナ蔓延状況によっては、このシラバスに記載された内容を後日見直す可能性があります。
到達基準
 力学は物理学分野の基礎、土台であり今後の機械系専門分野への理解にも重要です。
したがって、本講義では
1)数学的な数値と測定値の違いを理解して使い分けることができる
2)運動方程式を正しくつくることができる
3)抵抗力や振動、回転を含む運動の様子を理解するため、運動方程式を解くことができる
に加えて、
4)仕事、エネルギーについて理解できる
を目標とします。
なお,
「特定の概念を端的に表す用語や言葉を用いた記述」
「その概念を表した数式表示」
「最終的な結果」
の3点が理工系における説明では不可欠な情報であることを理解して,それを「答案」として実現できることも求めます。

*履修案内のカリキュラムマップを参照してください
授業内容
*以下は標準的な例です.R4年度分は初回に説明しますので,それに従ってください.
*進み方は始めはゆっくり,回を重ねるごとにだんだん早くなります.これは,新しい考え方の理解を促したり,取り扱いに慣れるためには,はじめゆっくり進め,ある程度慣れてきたらすでに習った知識を活用してもらうためです

第1回 講義概要の説明,物理量の次元,有効数字と誤差(第0章)
第2回(第1章) 運動の表しかた:変位,速度,加速度の概念と関係を微積分とベクトルを用いて学習する。例として等速円運動を取り上げ、直交座標系に加えて新たに「極座標系を用いる手法」を理解する。
第3回(第2章) 高校で学習した運動の法則を復習するとともに、運動方程式の取り扱いについて再確認する。また、運動方程式から出発して、運動量と力積の考え方を理解する。
第4回(第3章1) 運動方程式を解く(1-1):速度に比例する抵抗力を受ける物体の運動方程式を「解を仮定して解く手法」と「変数分離を用いて解く手法」のふた通りについて学ぶ。
第5回(第3章2) 運動方程式を解く(1-2):速度に比例する抵抗力に加えて重力を受ける物体の運動方程式を第4回の手法を用いて取り扱うとともに、「新たな手法」を用いて取り扱うことを学ぶ。
第6回(第3章3) 運動方程式を解く(1-3):第7回の内容の拡張版の考え方を学ぶとともに、第1回からの内容に関する質問対応を行う。
第7回(第4章1) 運動方程式を解く(2-1):単振動の特徴を理解するとともに、単振動に対応する運動方程式の解き方2通りのうち、まず「解を仮定して解く手法」について学ぶ。
第8回(第4章1) 運動方程式を解く(2-2):単振動に対応する運動方程式の解き方2通りのうち、もうひとつの「エネルギー積分を用いた手法」について学ぶ。
第9回(第4章2) 運動方程式を解く(2-3):振動に減衰が影響する場合の運動についてどのように取り扱うか、その結果どのような運動となることがわかるかについて学ぶ。
第10回(第4章3) 運動方程式を解く(2-4):振動に周期的な外力が係る場合の取り扱い方を学ぶ。
第11回(第5章1&2) 仕事とエネルギー:仕事の定義を確認したのち、「エネルギー原理」の取り扱いを学ぶ。
第12回(第5章3) 保存力について学ぶ。
第13回(第5章4&5) ポテンシャルエネルギーについて学ぶとともに、力学的エネルギーが保存す流場合について理解を深める。
第14回 第7回から第14回までの内容に関する質問対応
第15回 第1回から第14回までの総まとめ(問題演習を含む)
履修条件・関連項目
 高等学校で物理学を履修したことを前提とする。高等学校の数学、特に、ベクトル、微分積分の基本は知っているものとする。
授業時間(30時間)に加え、教科書や補助資料などを参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
平山修/篠原俊二郎著、「理工系のための解く!力学 第2版(第8刷)」講談社サイエンティフィク
(最新版は「第8刷」のはず。第1版や,第2版(第1-7刷)からいろいろ改訂されているので,先輩から譲り受けた諸君は注意)
参考書
特になし
成績評価の方法
(対面講義へ完全移行したことにより、以下の通り修正します)
出席が大前提なので「出席すること自体は得点として評価しません」。
科目としての評価は、以下の2点。
1)定期試験 60% (中間30%、期末30%)
2)Quiz 40% (授業会に毎回jしっし)
として総合評価します。
評価と総合点の関係は、
S: 90 点以上、A:80 点以上 90 点未満、B:70 点以上 80 点未満、C:60 点以上 70 点未満
となり、これらが「単位取得」です。
総点が60点未満は「D (不合格)」となり、単位は与えられません。

詳細については初回において説明します。  

[上記内容は初回のガイダンスにおいて説明済みです]



年度始めの記載内容) ===============
出席が大前提なので「出席すること自体は得点として評価しません」。
科目としての評価は、以下の2点。
1)毎回実施する小テストを60%
2)学期末に行う期末試験を40%
として総合評価します。
評価と総合点の関係は、
S: 90 点以上、A:80 点以上 90 点未満、B:70 点以上 80 点未満、C:60 点以上 70 点未満
となり、これらが「単位取得」です。
総点が60点未満は「D (不合格)」となり、単位は与えられません。

詳細については初回において説明します。
教員から一言
 これから諸君が学習する機械システム工学科の専門科目の基礎は物理学(特に力学)です。
そして、その内容は「日常言語である日本語や英語ではなく、数式を用いて表現すると、正確かつ簡潔となる」ことを理解してもらう必要があります。

数式に慣れる、数式を見慣れる、を実現するためには、それらを的確に表現する「用語」を理解するとともに、「考え方」も理解してもらうことが重要です。
これらを確認するため、毎回の授業では「Quiz」を実施します。(「Classroom」を用いて行います)

教えるべき内容が多いため、雑談や説明内容を広げることにより時間不足となることを避けるために、事前に用意した動画を見てもらうことを中心に講義を進めますが、適宜動画再生中に補足します。
理解を促すための補足とはいえ、事前にどのような内容が抗議されるかは教科書を用いて予習しておくと、理解しやすいはずです。
事前準備なしでいきなり動画を見たり、補足説明を受けたりしても理解しにくいところが生じることは避けられません。
抗議の際に行う「Quiz」に関して、「点が取れない」は、予習していないことによる部分、前回までの内容について理解を深めず放置していたままだった結果、であることが多いと思います。

自分なりの知識の身につけ方、をこの科目の予習、復習から作り上げてもらえると良いと思います。

*動画についてメモが取れないので、資料をpdfの形で提供してほしい、というリクエストもありますが、これについては対応するつもりありません。知識を自分の言葉を使って表し直す、自分にとって理解しやすいようにまとめなおす、があなた自身にとって重要な作業であって、他人がまとめたものをそのまま利用する、では自分なりに理解する、まとめるといった能力が身に付けられません。
また、何でもかんでもメモを取ろうとして、メモを取りきれないのでもっとゆっくりした内容で、という要望もありますが、これについても対応すると森はありません。重要な、必要最低限の部分だけを記録することがメモなのです。自分のペースで記録することは自分自身で行うことであって、メモを取る説明そのものをゆっくりしてもらうことはむしろ逆効果です。
キーワード
運動の記述法、ニュートンの運動の法則、運動方程式を解く、仕事とエネルギー、角運動量
オフィスアワー
講義直後に対応する。(時間的都合がつかない場合は、電子メールでの問い合わせに対応します)
備考1
*受講生はClassroom経由で「力学1(池田浩治)」をかならず登録してください。

*時間割では、「力学1が1学期水曜日1時限目に開講、力学2が1学期金曜日2時限目に開講」となっていますが、実際には「1学期の前半において、水曜日1時限目と金曜日2時限目に力学1を開講し、1学期の後半において、水曜日1時限目と金曜日2時限目に力学2を開講する」ことになります。
これは、「力学1」に続く内容が「力学2」であること、また、それぞれにおいて扱う「数学的な手法」を「微分積分学」や「線型代数学」において学ぶタイミングとの兼ね合い、の2点が理由です。
学期初めに行う「履修登録」では、それぞれの科目を時間割通りに登録してもらうことになりますが、受講時間帯は上述の通りとなることに注意してください。(この点については、力学1の初回の講義において説明します)

注意1:
上記の通りの実施形態となるため、「力学1」や「力学2」を再履修の諸君は注意が必要です。
混乱を避けるために、事前に池田へ相談してしてください。(相談なしに履修登録して、後日不都合が生じても対応しかねます。

注意2:
「力学1」を、旧カリキュラム「物理学基礎」「物理学基礎演習」として再履修する場合は、単位取得した際にどの科目に振り替えるかについて注意が必要です。これは学期初めの履修登録にも関係しますので、事前に池田へ相談してください。(相談なしに履修登録して、後日不都合が生じても対応しかねます。
備考2
成績分布

2020年度はCOVID-19対応のため、全てオンラインでの実施となりました。

成績評価結果:2019年度以降はM科1年次を対象として1クラスで実施。
2020年度  S 18名、A 41名、B 26名、C 15名、D 14名(6)
2019年度  S 1名、A 10名、B 47名、C 46名、D 22名(5)
*Dのカッコ内には評価対象として認められない欠席の多い受講生数を示した

(参考)H30年度までは「物理学基礎」「物理学基礎演習」に別れていましたが、H31年度/令和元年からは両者を融合させた「力学1」として実施です。
参考のため、「物理学基礎」の成績分布(当時、池田が担当した1年次の半分)の成績分布について示します
2018年度 S16名,A13名,B 6名,C 9名,D14名(9名)
2017年度 S12名,A16名,B11名,C11名,D11名(0名)
2016年度 S13名,A14名,B12名,C14名,D 9名(2名)
*Dのカッコ内には評価対象として認められない欠席の多い受講生数を示した
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/06/08 17:31:03