科目名[英文名]
弾性力学   [Theory of Elasticity]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 022589
責任教員 [ローマ字表記]
小笠原 俊夫   [OGASAWARA Toshio]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
機械材料は外力を加えると変形しますが、外力がある限界値以下の場合は、外力を取り除くと元の形状に戻ります。機械材料のこの性質は「弾性」と呼ばれます。「材料力学(I), (II)」では、はり・柱・軸など単純な構造部材に生じる応力・変形の解析法を扱ってきたのに対して、「弾性力学」ではより一般的な物理法則に根ざし、等方弾性体の3次元弾性変形解析に必要となる基礎理論とその応用例について説明します。
講義では3次元空間における応力とひずみの一般的な定義式について説明するとともに、3次元弾性変形解析の基礎方程式を構成する方程式群(力のつり合い式、変位とひずみの関係式、応力-ひずみ関係式(一般化フック則)、ひずみの適合条件式)の導出過程について詳しく解説します。また、基礎式の応用例として、2次元弾性問題(軸対称弾性問題)の基礎方程式を学び、いくつかの例題を通じて解析解の導き方を習得します。
最後に、弾性力学におけるエネルギ原理の基礎的な内容について説明し、その応用例として有限要素法の基礎について説明します。弾性体の変形に関する直感的な理解を進めるため、適宜、汎用有限要素解析ソフトによる演習も行います。講義では時々ですがパソコンを使用します。


クラスコード:twfepbd
到達基準
弾性力学における応力、変位、ひずみ、構成式、2次元弾性問題、エネルギ原理の定義および基礎方程式について理解し、弾性解析の基本概念を説明できる。

本科目のディプロマ・ポリシーの観点:
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
第1回 弾性とは。外力と内力(応力)
第2回 有限要素法による応力解析 演習
第3回 応力(1) 応力ベクトル、応力の平衡方程式、Cauchy応力テンソル
第4回 応力(2) 応力の座標変換、平面応力、モールの応力円、演習
第5回 応力(3) 主応力、応力の不変量、演習
第6回 ひずみ(1) 変位とひずみ、工学ひずみ、ひずみの座標変換、モールのひずみ円
第7回 ひずみ(2) ひずみテンソル、ひずみの適合条件、演習
第8回 応力-ひずみ関係式 一般化フック則、弾性率、弾性テンソル
第9回 2次元弾性問題(1) 平面問題、軸対称問題、Airyの応力関数、軸対称の応力関数
第10回 2次元弾性問題(2) 厚肉円筒・薄肉円筒、円孔の応力集中、FEM演習
第11回 2次元弾性問題(3) 無限平板の集中荷重、回転円盤、FEM演習
第12回 エネルギ原理(1) ひずみエネルギ、相補エネルギ、クラペイロンの定理、仮想仕事の原理
第13回 エネルギ原理(2) ポテンシャルエネルギ最小の定理、レイリー・リッツ法
第14回 有限要素法の基礎理論 
第15回 まとめ(期末試験)
履修条件・関連項目
履修条件:授業時間に加え、配布した講義資料や参考書を参照し、本学の標準時間数に準ずる復習を行うこと。
関連科目:材料力学I、材料力学II
テキスト・教科書
オリジナルのテキストをGoogle classroomにて公開します。
書き込み方式になっていますので、各自で印刷して講義に臨んで下さい。
参考書
下記の書籍が役にたつと思います。この講義(テキスト)はこれらの書籍をもとにして構成しています。
1.弾性力学、 小林繁夫・近藤恭平、培風館
2.弾性力学の基礎, 井上達雄、日刊工業新聞社
3.固体の弾塑性力学 小林英男・轟章、数理工学社
成績評価の方法
期末試験の点数に,都度の課題に対するレポート点を加点して評価します。
教員から一言
力学の講義は1回聞き逃すとストーリー(理論の展開)が不明になり,それ以降の講義の理解に支障をきたします。よって毎回欠かさず出席されることを期待しています。
キーワード
応力、ひずみ、構成式、エネルギ原理、有限要素法
オフィスアワー
オフィスアワーは金曜日の9:30〜11:00。その他教員が在室していれば、質問等随時対応します。
備考1
講義に関連する連絡,演習問題の提示などは,Google Classroom内の「弾性力学 2022」(クラスコード:twfepbd)にて連絡するので,毎週必ず参照してください。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/21 11:52:44