科目名[英文名]
固体物理   [Solid State Physics]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023254
責任教員 [ローマ字表記]
内藤 方夫   [NAITO Michio]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
〔Googleクラスルームのクラスコードは lvcebra です。〕

これまでに学んだ量子力学を基礎として、固体中の電子の状態を記述する手法を学ぶ(この手法をバンド理論と呼ぶ)。少数の原子からなる分子の化学結合・電子状態から巨視的な(アボガドロ数程度の原子からなる)固体の結合論・電子状態へシームレスに展開する。これにより、ボンドとバンドの関連が明解になる。なぜ、物質には、金属・半導体・絶縁体があるのか?に対する基礎的な理解を目標とする。
到達基準
固体物理学のミニマムとして以下の到達基準を設定する。
(1)逆格子空間・k空間の概念を理解し、取り扱うことができる。
(2)少数の原子からなる分子の化学結合・電子状態について理解し、説明できる。
(3)固体の自由電子モデルを理解し、熱物性や電気伝導について理解し、説明できる。
(4)固体の格子振動を理解し、熱物性について理解し、説明できる。
(5)エネルギーバンドを理解し、何故、物質が金属・半導体・絶縁体に分類されるか説明できる。
履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
1.結晶構造と周期性(第1・2回)
1-1 格子とは何か
1-2 基本単位胞
1-3 結晶構造
2.k空間(第3回)
2-1 k空間とは
2-2 逆格子
2-3 ブリュアンゾーン
2-4 結晶構造の決定

3.量子力学(第4・5・6回)
3-1 量子力学の基礎
3-2 調和振動子
3-3 水素原子
3-4 角運動量とスピン
3-5 多電子系
3-6 摂動論

中間試験、まとめ(第7回)

4.固体の結合(第8・9回)
4-1 結合とはなにか
4-2 共有結合
水素分子、水素原子鎖
4-3 イオン結合
4-4 金属結合
4-5 ファン・デル・ワールス結合
4-6 水素結合

5.格子振動(第10・11回)
5-1 一次元格子の格子振動
5-2 3次元固体の格子振動
5-3 フォノン
5-4 格子比熱

6.自由電子論(第12回)
6-1 自由電子モデル
6-2 フェルミ統計
6-3 状態密度とフェルミ分布
6-4 電子比熱
6-5 パウリ帯磁率
6-6 (伝導)

7.エネルギーバンド(第13・14回)
7-1 エネルギーバンドとは
7-2 空格子のバンド
7-3 ほとんど自由な電子のバンド
7-4 擬ポテンシャル法
7-5 強く束縛された電子の近似

期末試験、まとめ(第15回)
履修条件・関連項目
授業時間30 時間に加え、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
岡崎誠「固体物理学-工学のために」、裳華房
参考書
キッテル「固体物理学入門」(上)(丸善)
岡崎誠「物質の量子力学」(岩波書店)
成績評価の方法
レポート:50% x 2回
教員から一言
キーワード
固体の電子状態(バンド理論)
オフィスアワー
e-mailで対応する。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2022/03/15 16:15:31