科目名[英文名] | |||||
応用化学実験Ⅲ [Experiments in Applied ChemistryⅢ] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 3 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 023371 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
森 啓二, 後藤 健 [MORI Keiji, GOTO Ken] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
応用化学実験IIIでは、有機化学および物性化学に関連した実験を実施する。 詳細は、下記【授業内容】に示す。一見して分かるように、項目は多岐に亘る。有機化学・物理化学の授業で学習した理論を実験で検証するとともに、様々な現象の測定を通じて化学的性質を理解するための基礎を習得する。4年次以降に必要となる知識や課題解決法を学習するテーマが設定されている。 本科目のクラスコード:rekqy5y |
到達基準 |
測定の原理を理解するとともに物理現象を理論的に解釈できるようになること。これにより、モデルの構築と実験の組み立て、探索・課題解決・発見の一連の過程を自主的に実行できるレベルになること。 各実験分野における具体的な到達基準を以下に記す。 ・有機化学:カルボニル基の関係する有機反応の特徴を理解し、反応挙動や分子の化学的性質をつかむ。 ・物性化学:物理的な現象を観察し、それに伴う物理量の変化を測定する各種手法を習得する。 本科目のディプロマ・ポリシーの観点:C (履修案内のカリキュラムマップを参照してください。) |
授業内容 |
【第1週:ガイダンス】 授業の日程、受講上の一般的注意、実験の心得について説明する。 【第2週〜第13週】 以下の実験テーマのいずれかに取り組む。テーマ数、実施形態(対面orオンライン)についてはガイダンスにて連絡する。 <有機化学実験> 1.ε-カプロラクタムの合成 2.ε-カプロラクタムの開環重合 3.Grignard反応:禁水試薬の取り扱い・反応における温度制御 4.Wittig反応:SN2反応・分液操作・カラムクロマトグラフィー 5.Friedel-Crafts反応:反応制御・類縁化合物の分離・精製操作および分析方法 <物性化学実験> 1.反応速度の測定:エステル(酢酸エチル)の酸触媒加水分解速度を計測・計算する。その結果に基づき、熱力学パラメーターを理論的に求める。 2.電池の起電力:Zn|ZnSO4||CuSO4|Cu構造からなるダニエル電池を作製し、起電力を測定する。得られるデータより起電力、平衡定数、活量等について学ぶ。 3.表面張力の測定:滴数計を用いて濃度の異なる界面活性剤水溶液の表面張力を測定し、表面自由エネルギーについて理解する。 4.X線回折:X線回折に関わる諸法則(ブラッグの法則、結晶構造因子、消滅則、など)について学び、実際に測定したX線回折パターンから種々の構造パラメータを導き出す。 5.平衡定数:任意の反応の任意の温度における平衡定数の算出をPCを用いた解析により行う。熱力学データの展開方法を学ぶ。 6.プログラミング:解析的に(手計算では)解くことが不可能な物理モデルを、プログラミング言語を用いて数値的に解く手法を学ぶ。 7.吸着・触媒化学:物質の表面への吸着現象や触媒効果を取り扱い、表面・界面における化学エネルギーの変化を学ぶ。 8.英文講読:化学系の教科書を講読し英文読解力を養う。 |
履修条件・関連項目 |
実験実習を行うにあたっては、安全確保の観点からも予習は必須である。各人は実験テキストを精読し内容の十分な理解を図ると共に、実験手順のフローチャートを作成し、実験器具や試薬の物理的・化学的性質を事前に調べ、実験ノートに記載しておくこと(15時間)。 実験終了後には、実験レポートの作成を行う。所定の書式に従い、目的、実験操作、結果、考察、結論、参考文献を適切に記述し、決められた期日内に提出すること(30時間)。 授業時間90時間と上記の授業外学習を加え、本学の標準時間数に準ずる予習・復習を行うこと。 学習内容は、本学の標準時間数に準じている。 その他 (1)有機化学・物理化学以外にも、無機・分析系の基礎知識が必要とされる。 (2)保険について:(A)学生教育研究災害傷害保険(学研災)」、および(B)「学研災付帯賠償責任保険」へ加入する。(A)および(B)と同等の生協の保険も可とする。 (3)安全規則(保護メガネの着用、など)を遵守する。詳細は、ガイダンスで説明する。 |
テキスト・教科書 |
*東京農工大学工学部「応用化学科実験テキスト」(第3章)及びプリント教材(ガイダンスで配布する) *再履修者には、別途案内する。 |
参考書 |
(有機化学)ボルハルトショア-現代有機化学、ジョーンズ有機化学(下)、ハート基礎有機化学 (物性化学)アトキンス物理化学(上下)、ボール物理化学(上下) *図書館所蔵の化学関連書は、実験内容の理解、データの解析に役立つ。また、必要に応じて、インターネットで指示項目を検索してもよい。 *化学同人編集部編「実験を安全に行うために」、「続実験を安全に行うために」 |
成績評価の方法 |
【評価基準】 ・試験結果(レポート点、確認テスト点):50% ・授業への参加度(実験中の履修態度も含まれる):50% ガイダンス,実験,講義は全日出席が原則、レポートは全テーマ提出が原則であるため、無断欠席やレポート未提出の者は単位の取得が著しく困難となる場合がある。 また、遅刻やレポート提出遅延、実験中の怠慢行為や安全規則違反、レポート内容の剽窃は評価減点となり、これらの行為が認められた場合は単位の取得が困難となる場合がある。 【昨年度の成績分布】 本年度より開講した新科目であるため、データなし (参考:F科「応用分子化学実験III」2020年度実績)S:該当者なし、A:93.1%、B:2.3%、C:2.3%、D:2.3% |
教員から一言 |
現象(観察事項)の理論的な解析力を養成するよう努めること。有機化学の実験では、沈殿の生成や反応溶液の色の変化など、視覚的に反応が進行が捉えられるテーマを選定しているので、分子の振る舞いを観る楽しみを味わってもらいたい。また、物性化学の実験では、測定→計算→データ解析→考察の一連の作業によって、物理量の抽出からデータ処理・解析の具体的な方法を学習する。測定機器を通じて物理量が得られる測定の醍醐味を実感してもらいたい。 どの実験テーマにおいても、安全には十分留意してください。 |
キーワード |
応用実験,有機化学、物理化学,無機化学、分析化学 |
オフィスアワー |
オフィスアワー:随時、場所:1号館S110号室(岩澤) |
備考1 |
(1)レポート提出締切日時:原則として指定日の午前8時40分 (2)出欠点呼:13時開始(13時前に実験着を着用し、指定場所に着席待機すること) (3)出席等に関して、やむを得ない事由が発生した場合は本人だけで対応を判断せず、直ちに担当教員に連絡し、指示を受けること。 |
備考2 |
(1)新型コロナ感染の状況によって、カリキュラムや授業内容が変更となる場合があります。担当教員からのアナウンスに注意を払い、臨機応変に対応してください。 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/04/04 14:44:19 |