科目名[英文名] | |||||
熱統計力学および演習 [Statistical Thermodynamics & Exercises] | |||||
区分 | 工学部専門科目 | 選択必修 | 単位数 | 3 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 023451 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
箕田 弘喜 [MINODA Hiroki] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
統計力学では、熱力学を微視的(量子=原子・分子、エネルギー量子)に理解することを目的とする。熱統計力学と従来の熱力学で、用いる用語は変わらない(内部エネルギー、エントロピー、温度)。しかし、本講義ではエントロピーと温度を量子力学的に再定義する。 ・考える系:孤立系⇒熱溜(熱浴)と熱交換が許される系⇒熱溜と熱・粒子の交換が許される系。 ・エネルギー:内部エネルギー⇒ヘルムホルツの自由エネルギー⇒ギブスの自由エネルギー ・統計 古典統計(Maxwell-Boltzmann分布) 粒子を識別する。 量子統計(Fermi-Dirac分布、Bose-Einstein分布) 粒子を識別しない。 出発点をエントロピーと温度の導入に置き,ボルツマン因子,化学ポテンシャル,ギブス因子を学ぶ。理想気体を例に,量子極限と古典極限の統計分布関数とその性質を理解する所までを目標とする。 クラスコード:al2k5wt |
到達基準 |
巨視的な系を取り扱い、微視的な系を意識せずに議論する熱力学と、マクロな系を構成している統計力学の間の関係を理解していること、また、統計力学の考え方に基づいて、多体系のエネルギー的な議論ができるようになること。またその内容に基づいた設問を一定の水準で自力で解けること。 |
授業内容 |
第1回 序論 全体説明と熱力学の復習、熱力学と統計力学の関係について 第2回 1章 モデル系の状態:1-1. 統計力学とは? 1-2. 定常量子状態と多重度 1-3. モデル系その1 2価モデル(スピン系)1-4. 多重度関数の鋭さ 1-5. モデル系その2(調和振動子系) 第3回 2章 エントロピーと温度 2-1. 統計力学の基本仮定 2-2. 確率とアンサンブル 2-3. 熱的接触 2-4. 熱平衡 2-5. 温度 2-6. エントロピ- 第4回 2-7. 熱力学法則 3章 ボルツマン分布とヘルムホルツの自由エネルギー 3-1. 熱だめの概念 3-2. 分配関数 3-3. 圧力 第5回 3-4. 熱力学恒等式 3-5. ヘルムホルツの自由エネルギー 3-6. 理想気体:概観 第6回 ここまでのまとめ 4章 熱輻射とプランク分布 4-1. プランク分布関数 4-2. 電磁波のモードの数え方 4-3.プランクの法則とシュテファン-ボルツマンの法則 第7回 4-4. ジョンソンノイズに対するナイキストの定理 5章 化学ポテンシャルとギブス分布 5-1. 拡散的接触 5-2. 化学ポテンシャルの復習(熱力学より) 5-3. 化学ポテンシャルの定義 (統計力学による導入) 第8回 5-4. 化学ポテンシャル (幾つかの例) 5-5.化学ポテンシャルとエントロピー 第9回 5-4. ギブス因子とギブス和 6章 理想気体(量子統計) 6-1.フェルミ粒子とボース粒子 6-2. フェルミーディラックの分布関数 第10回 6-3. ボースーアインシュタインの分布関数 6-4. 古典極限 6-4-1. 化学ポテンシャル 6-4-2. 自由エネルギー 6-4-3. 圧力 6-4-4. エネルギーとエントロピー 6-4-5. 熱容量 第11回 6-5. 幾つかの例題 第7章 フェルミ気体とボーズ気体 7-1. フェルミ気体 第12回 7-2. ボーズ気体 第13回 8章 熱と仕事 8-1. エネルギーとエントロピーの移動 8-2. 熱機関 8-3. カルノーサイクル 第14回 3-4.幾つかの例 (理想気体の急激な膨張、化学的仕事、超伝導) 第15回 9章 ギブスの自由エネルギーと化学反応 9-1. ギブスの自由エネルギー 9-2.反応における平衡 |
履修条件・関連項目 |
物理学基礎,化学基礎;既習のこと |
テキスト・教科書 |
キッテル:熱物理学(第2版,山下,福地共訳) 丸善(ISBN4-621-02727-1) |
参考書 |
ライフ「統計物理」(バークレー物理学コース5) 丸善(ISBN4-621-04499-0、4-621-02953-3) キッテルより平易 |
成績評価の方法 |
毎週の課題(演習)や小テスト(70%)+期末試験(30%)の比重を目安とし,総合的に評価. |
教員から一言 |
指定の教科書は,熱力学のバックグランドなしに、ミクロな視点かのみから統計力学を構築している。本講義は,基本的にこれに準拠します。この教科書の9章までを当面の目標とします。 |
キーワード |
多重度,エントロピー,温度,ボルツマン因子,化学ポテンシャル,ギブス因子,理想気体:古典領域と量子極限 |
オフィスアワー |
随時 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/04/07 8:38:30 |