科目名[英文名]
有限要素法および演習   [Finite Element Method and Exercises]
区分 工学部専門科目  選択必修   単位数 3 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 023571
責任教員 [ローマ字表記]
山中 晃徳   [YAMANAKA Akinori]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
【なぜ有限要素法を学ぶ必要があるのか?】
 自動車、航空機などの輸送機械にはじまり、建築物や私達が日常生活で使用している携帯電話や家電製品などの機械製品の強度や耐久性をコンピューターシミュレーションにより計算する方法として、有限要素法が広く使用されている。さらに、有限要素法は微分方程式をコンピューターに計算させる方法であるため、上記のような目的以外にも、微分方程式で表すことができる現象、たとえば熱流体の流れ(ナビエ・ストークス方程式)、電磁場の変化(ポアソン方程式)の計算方法としても使用されている。したがって現在では、様々な有限要素解析ソフトウェアが販売され、企業の研究・開発の現場でも非常に重要な計算技術として活用されている。しかし、有限要素解析ソフトウェアを使用すれば、たとえソフトウェア内で計算される内容を全く知らなくても、機械構造物の変形や強度などを解析することができてしまい、誤った計算結果に気付かずに機械製品を設計してしまうという危険性をはらんでいる。したがって、機械工学を学んだ研究者・エンジニアには、有限要素法に関連するしっかりとした基礎知識を持っていることが要求される。

【本講義の目的】
 本講義では、有限要素法の基礎原理を学ぶとともに、各種の偏微分方程式(ポアソン方程式、応力の平衡方程式、熱伝導方程式、ナビエ・ストークス方程式)を有限要素法で解くための基礎知識と具体的な例をあげ、Pythonプログラムとともに解説する。そのために、3年生前期までに学んだ材料力学、弾性力学、流体力学、伝熱学、コンピュータープログラミングの基礎を復習するとともに、その知識に基づき有限要素法の原理を学ぶ。

【講義の形式】
工学部の方針に準じ、対面講義を原則とします、ただし、配慮願いを提出することにより、すべての授業を自宅オンラインなどで受講することが可能です(試験については別途指示)。これによる受講上の不利益はありません。ただし、この場合はすべての受講科目が対象となり、一部の時間帯や講義のみを希望することはできません。

【Google Classroomのクラスコード】
rigqhdt
到達基準
(1)各種現象を表す基礎方程式(偏微分方程式)を正しく理解できること。
(2)仮想仕事の原理など有限要素法の基礎理論および計算方法を正しく理解できること。
(3)有限要素解析の結果を正しく評価し、再解析の指針を立てることができること。
(4)解析結果を適切に文書にまとめ、他者に正確に伝えられるレポート作成ができること。
*ディプロマ・ポリシーについては、履修案内のカリキュラムマップを参照してください。
授業内容
1 イントロダクション&Pythonプログラミング復習
2 ポアソン方程式(電場解析)の有限差分法による解法と演習
3 ポアソン方程式(電場解析)の有限要素法による解法と演習
4 重み付き残差法とガラーキン法による応力の平衡方程式(応力場解析)
5 重み付き残差法とガラーキン法による応力の平衡方程式(応力場解析)の演習
6 応力の平衡方程式(応力場解析)の1次元有限要素法による解法と演習
7 応力の平衡方程式(応力場解析)の2次元有限要素法による解法と演習
8 応力集中問題の2次元有限要素法による解法と演習
9 熱伝導方程式の有限差分法による解法と演習
10 熱弾性問題のの2次元有限要素法による解法と演習
11 ナビエ・ストークス方程式(流体解析)の有限差分法による解法と演習
12 ナビエ・ストークス方程式(流体解析)の有限要素法による解法と演習(ポアズイユ流れ)
13 ナビエ・ストークス方程式(流体解析)の有限要素法による解法と演習(キャビティ内流れ)
14 NACA翼周りの流れの有限要素解析演習(最終レポート出題)
15 トポロジー最適化の有限要素解析演習(変更の可能性あり)
履修条件・関連項目
材料力学Ⅰ、材料力学Ⅱ、弾性力学、流体力学I、流体力学II、伝熱学、コンピュータープログラミングIおよび各種数学科目を履修していることが望ましい。
本学の標準時間数(45時間/単位)に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
教科書は、履修登録者に対して講義中に配布(無料)する。
講義資料等は、講義前にGoogle Classroom等を用いて配布する。
参考書
固体力学、流体力学、連続体力学の教科書など
成績評価の方法
講義中に出題する、演習課題・レポート(40%)、中間・期末テスト(60%)の得点によって総合的に評価する。
教員から一言
有限要素法は、いまや機械や建築物などあらゆる構造物の設計等に必要不可欠な数値シミュレーション法です。機械工学を学ぶ学生諸君には、是非受講することを勧めます。
キーワード
有限要素法、FEM、シミュレーション
オフィスアワー
特に設けないが、質問等は随時受け付ける。(事前に、メール等でアポイントメントを取ること。)
備考1
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~yamanaka/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/21 9:56:51