科目名[英文名]
熱統計力学   [Thermodynamics and Statistical Mechanics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 023653
責任教員 [ローマ字表記]
箕田 弘喜   [MINODA Hiroki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
【目的】本熱統計力学では、従来の熱力学を微視的(量子=原子・分子、エネルギー量子)に理解することを目的とする。
【概要】熱統計力学と従来の熱力学で、用いる用語は変わらない(内部エネルギー、エントロピー、温度)。しかし、本講義ではエントロピーと温度を量子力学的に再定義する。量子状態(固有状態)の数=多重度関数の概念が重要となる。
・考える系:孤立系->熱溜(熱浴)と熱交換が許される系->熱溜と熱・粒子の交換が許される系。
一見、より複雑な系を取り扱うように思うが、実際にはより計算が簡単になる。エネルギーや粒子数が揺らぐ。平均値と揺らぎの計算。
・エネルギー:内部エネルギー->ヘルムホルツの自由エネルギー->ギブスの自由エネルギー
・統計
古典統計(Maxwell-Boltzmann分布) 粒子を識別する。
量子統計(Fermi-Dirac分布、Bose-Einstein分布) 粒子を識別しない。
を基礎に,平均値と揺らぎを定義する。
出発点をエントロピーと温度の導入に置き,ボルツマン因子,化学ポテンシャル,ギブス因子を学ぶ。理想気体を例に,量子極限と古典極限の統計分布関数とその性質を理解する所までを目標とする。ギブス因子を導入した所までで,伝統的な統計力学における,ミクロカノニカル分布を経て,カノニカル分布からグランドカノニカル分布(ギブス分布)を導く伝統的な流れも包含すると共に,量子力学ともマッチングのよい統計力学的考え方を身につける。
到達基準
巨視的な系を取り扱い、微視的な系を意識せずに議論する熱力学と、マクロな系を構成している統計力学の間の関係を理解していること、また、統計力学の考え方に基づいて、多体系のエネルギー的な議論ができるようになること。またその内容に基づいた設問を一定の水準で自力で解けること。
授業内容
統計力学では、熱力学を微視的(量子=原子・分子、エネルギー量子)に理解することを目的とする。熱統計力学と従来の熱力学で、用いる用語は変わらない(内部エネルギー、エントロピー、温度)。しかし、本講義ではエントロピーと温度を量子力学的に再定義する。
・考える系:孤立系⇒熱溜(熱浴)と熱交換が許される系⇒熱溜と熱・粒子の交換が許される系。
・エネルギー:内部エネルギー⇒ヘルムホルツの自由エネルギー⇒ギブスの自由エネルギー
・統計
古典統計(Maxwell-Boltzmann分布) 粒子を識別する。
量子統計(Fermi-Dirac分布、Bose-Einstein分布) 粒子を識別しない。
出発点をエントロピーと温度の導入に置き,ボルツマン因子,化学ポテンシャル,ギブス因子を学ぶ。理想気体を例に,量子極限と古典極限の統計分布関数とその性質を理解する所までを目標とする。

クラスコード:al2k5wt
履修条件・関連項目
力学,電磁気学,熱物理学入門を既習のこと。
テキスト・教科書
キッテル:熱物理学(第2版,山下,福地共訳) 丸善(ISBN4-621-02727-1)
参考書
ライフ「統計物理」(バークレー物理学コース5) 丸善(ISBN4-621-04499-0、4-621-02953-3)
 キッテルより平易
ライフ「統計熱物理学の基礎(上)(中)(下)」吉岡書店 POD版
 キッテルより若干難しい
成績評価の方法
毎週の課題(演習)や小テスト(70%)+期末試験(30%)の比重を目安とし,総合的に評価.
教員から一言
指定の教科書は,1960年代以降米国UCバークレーを中心として,採用された新しい「統計力学」の教え方に沿うものである。熱力学のバックグランドなしに、ミクロな視点かのみから統計力学を構築している。物理系学生にはなじみやすい。所持することを強く薦めます。本講義は,基本的にこれに準拠します。この教科書の9章までを当面の目標とします。この講義は固体物理Ⅰと化学物理に接続します。
キーワード
多重度,エントロピー,温度,ボルツマン因子,化学ポテンシャル,ギブス因子,理想気体:古典領域と量子極限
オフィスアワー
金曜昼休:12:00~13:00
備考1
キッテルの教科書の 各章の例題,章末問題は,演習問題としても使われる。繰り返し学習して欲しい。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/06/08 13:51:20