科目名[英文名]
応用熱統計力学   [Thermodynamics and Statistical Mechanics]
区分 共通科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 1060487
責任教員 [ローマ字表記]
宮地 悟代, 内藤 方夫   [MIYAJI Godai, NAITO Michio]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
本大学院講義では、熱統計力学を物質の性質(物性)や量子現象への理解に応用する方法を学ぶ。例えば、固体の比熱や抵抗率の低温の温度依存性にも、量子化は露に顔を覗ける。量子化がどこに現れるのかを理解するには熱統計力学の深い理解が必要である。低温は、量子現象を観測するには重要な手段である。そのため、まず第1章は、低温を生み出す技術を熱統計力学の観点から学ぶ。第2章は、固体の比熱や金属・半導体の電気伝導のふるまいを量子統計(ボース統計、フェルミ統計)をもとにして厳密に導出する。第3章は、低温のボース粒子が示すボース・アインシュタイン凝縮を学ぶとともに、超流動・超伝導といった驚異の低温量子現象が何故おこるかを習得する。本講義は、熱統計力学と量子力学を基礎に、興味深い物理現象の高いレベルの理解をめざす。

Classroomコード:f625pt4
到達基準
授業内容
1.低温へ到達するための熱統計力学(5回)
第1回 永久気体(酸素、窒素、水素)の液化,ラボアジェの予言,断熱膨張
第2回 相転移,一次相転移と二次相転移
第3回 ファンデルワールス方程式-液体と気体,粒子間相互作用
第4回 液化-ジュール・トムソン効果
第5回 断熱消磁-エントロピー増大による温度低下,希釈冷凍機の原理-2成分系の熱力学、レーザー冷却-新しい冷却法

2.量子統計(7回)
第6回 低温で見えてくる量子化,光子と電子の違い,回転および振動の量子化
第7回 ボース粒子系の量子化,格子振動の量子化-比熱、抵抗率
第8回 フェルミ粒子系(電子)の量子化-金属の場合(1).電子系の比熱
第9回 フェルミ粒子系(電子)の量子化-金属の場合(2).磁場中の量子振動
第10回 フェルミ粒子系(電子)の量子化-半導体の場合,半導体のバンド構造
第11回 半導体デバイス(1)
第12回 半導体デバイス(2)

3.低温の特異な量子現象-超流動と超伝導(3回)
第13回 ボース・アインシュタイン凝縮と超流動
第14回 4Heと3He,フェルミ粒子系の凝縮,3Heの超流動
第15回 超伝導
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
キッテル「熱物理学」7章、10〜13章 キッテル「固体物理学入門」6〜9章
ライフ「統計物理学の基礎」9〜11章 メンデルスゾーン「絶対零度への挑戦」 
参考書
成績評価の方法
課題2回(30%x2)、期末試験1回(40%)
教員から一言
キーワード
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/09/16 19:39:25