科目名[英文名] | |||||
先端材料開発論 [Development of Advanced Materials] | |||||
区分 | 専門職学位課程科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | ~ | 開講時期 | 3学期 | |
授業形態 | 3学期 | 時間割番号 | 1060827 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
齋藤 拓 [SAITO Hiromu] | |||||
所属 | 工学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
材料は物を作るための基礎物質であり、有機・無機・金属に大別できる。材料は産業の発展に不可欠なもので、新しい産業の創出には常に新しい材料が要求されてきた。材料を利用する企業は、種々の材料の性質や特色を理解して適切に利用することが必要となる。また、材料を供給する企業も、材料の性質と同時に用途を十分に調査して、商品に必要な性質を知る必要がある。 この科目では、各種材料の特色や進歩の過程、今後の展望について概説して、材料ビジネスの特色や現状を理解してもらうことを目的とする。 Google Classroomのクラスコード cihvvj5 |
到達基準 |
1)金属、有機、無機材料の違いと、それらの用途展開について理解している、 2)種々の材料の特徴と、その発現原理について理解している、 3)自分の研究等に関連した材料に関する調査を行うことができる、 ことを合格の基準とする。 |
授業内容 |
1)序論 講義の概要と目的を説明する。序論として、三大材料である金属・無機・有機材料の大きな違いと、それらの材料の進歩と人類への貢献について説明する。 2)金属材料 多くの金属が材料として使われている。最も多量に使われている鉄に注目して、最近の話題を含めて紹介する。また、種々の機能材料に利用されているレアメタルについても紹介する。 3)有機材料 ポリエチレンやポリスチレンをはじめとする有機材料は消費者の立場からは軽くて割れにくく、製造者の立場からは加工がしやすい、などの理由から大量生産・大量消費されて身の回りに溢れている。種々の有機材料の特徴と用途展開、さらには市場動向などについて概説する。 4)無機材料 無機材料として、セメント、ガラス、陶器がよく知られている。それら無機材料の特色についてカーボンナノチューブ、圧電セラミックス、光ファイバー、光触媒などを例に挙げて概説する。 5)機能材料 強度を中心にした材料を構造材料と呼び、それ以外の機能を重視した材料を機能材料と呼ぶ。機能材料では電気的・光学的機能を持つものが最も広く用いられている。これら機能材料の中でディスプレイ材料を例に挙げて、その特色と用途展開について説明する。 6)繊維材料 絹・羊毛・綿などの天然繊維の模倣を目指すことで、光沢繊維、極細繊維、光ファイバー、機能性中空繊維など社会に大きく貢献している人工繊維が創られてきた。これら人工繊維の開発例を挙げて、特色と用途展開について説明する。 7,8)討論1 金属、有機、無機材料のビジネスに対する問題点と解決方法について討論する。 9)ナノマテリアル1 大きなものを小さくしていく方法がTop Downの手法である。Top Down法で広く用いられている微細加工について、リソグラフィー法、LIGA、走査イオン法などを例に挙げて概説する。 10)ナノマテリアル2 原子や分子から出発してナノオーダーの材料を作製する方法がBottom Upの方法である。この方法で作製されるフラーレンやカーボンナノチューブの作製などについて概説する。また、自己組織化によるBottom Up法についても紹介する。 11)ナノマテリアル3 フォトニック結晶、ナノガラスなどの光学材料、表示材料、記録材料、量子ドット、分子コンピュータースイッチなど電気・電子材料、人工臓器、人工血液、ドラッグデリバリーシステム、カプセル内視鏡など医療・健康に役立つ材料など、ナノマテリアルの応用例について概説する。 12,13)討論2 材料ビジネスを成功するために不可欠なことについて、具体例を挙げて討論する。 14)自動車用材料 自動車用材料には、ニーズに適応した特色のあるカスタムメイド材料が数多く使われている。それらカスタムメイド材料の開発例を説明する。 15)材料と環境 材料を生産する際の廃棄物や副産物が環境に悪影響を与えることから、工場から出される廃棄物に対する多くの規制があり、最近では地球温暖化の問題により規制が厳しくなっている。この規制による材料開発への影響について説明する。また、材料のリサイクルについても説明する。 |
履修条件・関連項目 |
テキスト・教科書 |
PDF資料を利用する。 資料はGoogle Classroomに掲載する。クラスコード cihvvj5 |
参考書 |
講義中に述べる。 |
成績評価の方法 |
70%以上の出席をした学生にのみ成績判定を行い、出席率が70%以下の学生の成績は付けない。学習の達成度を討論での発表、レポート等で評価する。 成績の総合評価は、講義中に出された質問・意見、討論での発表・意見、レポート等をもとに、S,A,B,C,Dの5段階評価で行い、S評価は10%以内とする。 オンライン教育を行った場合における成績評価は、すべての出席を前提として、双方向性を利用した学習意欲や質疑応答、課題への取り組み、オンラインでの発表やレポートを総合的に評価する。 |
教員から一言 |
自動車・電機・電子・機械などの製造業には、部材としての優れた”材料”が必要不可欠です。世の中に様々な材料がありますが、どのように作られているのでしょうか?また、どのような性質や特色のある材料が、どのような用途に用いられているのでしょうか?これらのことについてビジネスとして成功した事例を挙げて、さらには材料の発展の歴史も交えながら講義します。それぞれの材料が持っている特色に面白さを感じて頂けましたら幸いです。化学や物理が苦手でも理解できるように講義するつもりですが、わからなくなった場合には遠慮なく質問して下さい。“討論”では、皆さんが材料について考えたことについて話してもらいます。 |
キーワード |
材料 金属 有機 高分子 セラミックス |
オフィスアワー |
土曜日13時から18時まで。事前に電子メールでお問い合せ下さい。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2022/03/28 16:59:36 |