科目名[英文名]
セラミック化学特論   [Advanced Ceramics]
区分 後期課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 1080204
責任教員 [ローマ字表記]
前田 和之   [MAEDA Kazuyuki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
様々なセラミックスの製造に用いられる反応は、基本的には固相が関係する反応、ならびに気相、融液、溶液からの固相生成にそれぞれ大別することができる。各々の代表的な例を挙げて解説する。特に溶液が関与するソフトケミストリー的合成法は、比較的温和な条件下での材料合成が可能であり、アモルファスや凖安定相の生成が可能である。このような合成例の中でも、特に多孔性固体合成の基本的な方法論であるテンプレート合成について特に詳しく紹介する。また、セラミックスのキャラクタリゼーション手法、特に粉末X線回折を基とする結晶構造解析法について紹介する。
到達基準
セラミックス・無機固体材料の合成法やキャラクタリゼーションの手法を把握し、当該専門分野の学術論文の内容が概ね理解できるようになることを目標とする。
授業内容
1. ガイダンス
2. 固相-固相間の反応I 核発生、焼結、固相反応、結晶相転移などセラミック法の基礎について解説する。
3. 固相-固相間の反応II 炭素熱還元、燃焼合成、高圧合成、及びセラミックスの成形法について紹介する。
4. 固相-液相・気相間の反応 イオン交換、インターカレーション等、固相との間で物質の出入りを伴う反応について紹介する。
5. 溶液からの固相析出 沈殿、共沈、ゾル・ゲル法、ソルボサーマル法(水熱合成法)に代表される溶液からの固相生成について、メカニズムや応用例などを紹介する。
6. 融液及び気相からの固相析出 チョクラルスキー法やガラス化に代表される融液からのセラミックス製造法について紹介する。また、化学気相輸送法、エアロゾル法等、気体原料を用いたセラミックス合成について紹介する。
7. 無機高分子からのセラミックス製造 シリコーン、ポリシラン等に代表される無機高分子、及びこれらを原料とするセラミックスの製造について紹介する。
8. テンプレート合成I ナノ多孔性セラミックスの代表であるゼオライト(モレキュラーシーブ)について解説し、その合成戦略の基本であるテンプレート合成の考え方について解説する。
9. テンプレート合成II テンプレート合成の拡張に基づくメソ構造体、マクロポーラス材料等の合成戦略について解説する。
10. ナノマテリアルI ナノマテリアルの合成、性質等に関する英文テキスト購読I(AL型)
11. ナノマテリアルII ナノマテリアルの合成、性質等に関する英文テキスト購読II(AL型)
12. セラミックスのキャラクタリゼーションI 主に組成分析及び形態観察に用いられる主要な機器分析法について紹介する。
13. セラミックスのキャラクタリゼーションII 主に構造解析、物性測定、表面分析等に用いられる主要な機器分析法について紹介する。
14. プレゼンテーションI セラミック材料の合成、評価等に関するプレゼンテーションI(AL型)
15. プレゼンテーションII セラミック材料の合成、評価等に関するプレゼンテーションII(AL型)
履修条件・関連項目
学部において無機化学、物理化学、セラミック化学、物性化学、無機機器分析、もしくはそれに相当する講義を履修していることが望ましい。
テキスト・教科書
原則として毎回プリントを配付するが、講義内容のほとんどは参考書1.に沿う。
参考書
1. U. Schubert, N. Husing, Synthesis of Inorganic Materials, 2nd. edition, Wiley-VCH, Weinheim, 2005.
2. 水田進、河本邦仁、「セラミック材料科学」東京大学出版会.
3. "Handbook of Porous Solids", Vol. 1-5, eds. F. Schuth, K. S. W. Sing and J. Weitkamp, Wiley-VCH.
成績評価の方法
受講態度・輪講(40%)、及びプレゼンテーション(受講者数が多い場合は試験)(60%)により成績評価を行なう。プレゼンテーションの課題については担当教員と相談の上定める。
教員から一言
広い意味でのセラミックスとして無機固体材料の合成法やキャラクタリゼーションの手法について幅広く取り上げて紹介します。少しでも無機材料合成への興味を持ってもらえれば幸いです。
キーワード
セラミックス合成、無機固体材料、テンプレート合成、キャラクタリゼーション
オフィスアワー
教員居室:新1号館413号室、オフィスアワーは特に定めず、原則として在室時は質問等受け付ける。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/03/04 10:24:06