科目名[英文名]
物質エネルギー設計特論II   [Advanced Energy and Materials Design II]
区分 一貫制専門科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 12  開講時期 1学期 
授業形態 1学期  時間割番号 231004
責任教員 [ローマ字表記]
富永 洋一   [TOMINAGA Yoichi]
所属 生物システム応用科学府 研究室   メールアドレス

概要
「固体高分子電解質 (Solid Polymer Electrolytes)」は、基本的にポリエーテルなどの極性高分子と塩(イオン源)から構成される新しい電解質材料です。これまでの電解質材料は、主に液体や無機系固体でしたが、固体高分子電解質は、高分子特有の柔軟性や軽量・薄膜化が可能である利点を有効に活用した次世代導電材料として注目されています。本講義では、まず学部で学んだ高分子材料科学の中からイオン伝導性を取り上げ、その基礎を改めて復習します。更に、固体高分子電解質に焦点を絞り、歴史や種類、必要性や社会的ニーズから応用性まで一貫した講義を進めていきます。塩の溶解メカニズム、物質拡散現象、導電率の測定法や最新の電源事情など、詳しく解説します。
到達基準
固体高分子電解質の基礎を理解する。リチウムイオン二次電池などのエネルギー貯蔵デバイスの種類や材料構成、動作原理が分かるようになる。
本科目のディプロマ・ポリシーの観点: 本学HP三つのポリシーのカリキュラムマップを参照してください。 URL: https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
第0回: 授業ガイダンス(0.5コマ分)
第1回: 固体高分子電解質の歴史、種類と構造
第2回: 電解質とは何か 〜塩が水に溶ける不思議から考える〜
第3回: 固体高分子中における塩溶解およびイオン移動のメカニズム
第4回: 固体高分子電解質の相図と結晶化
第5回: イオン伝導度の測定技術、固体高分子電解質のイオン伝導特性
第6回: 固体高分子電解質の応用1
第7回: 固体高分子電解質の応用2
履修条件・関連項目
物理化学系の科目(物理化学、物理化学演習など)、高分子科学系の科目
テキスト・教科書
適宜資料を配布します。テキスト・教科書の新規購入は不要です。
参考書
Fiona M. Gray, Solid Polymer Electrolytes 〜Fundamentals and Technological Applications〜 (VCH Publishers, 1991)、「基礎高分子科学」(高分子学会 編, 東京化学同人)、高分子機能材料シリーズ第5巻「電子機能材料」など
成績評価の方法
オンライン教育における成績評価方法は、すべての出席を前提とし、双方向性を利用した学習意欲やレポート課題等を総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。他に、授業に取り組む姿勢、授業中の質問数やその内容も成績に含めます。S: 90 点以上、A:80 点以上 90 点未満、B:70 点以上80 点未満、C:60 点以上 70 点未満。
教員から一言
固体高分子電解質は、例えばゲル状にして薄型ノートパソコンのバッテリーなどに既に使われています。また、高分子の電気的性質という観点からは、高分子の導電性や圧電性を応用した製品が、意外と身の回りに存在します。修士課程の2年間は長いようで短いです。卒業してから困らないよう、今のうちにしっかりと高分子の電気・電子物性を身につけておきましょう。
キーワード
高分子電解質、イオン伝導度、解離、移動度、ポリエーテル、リチウムイオン二次電池
オフィスアワー
4号館1階・121号室にて随時
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2022/03/04 10:05:14