科目名[英文名]
日本事情Ⅰ   [Japanese Society Ⅰ]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01AG1061
責任教員 [ローマ字表記]
本郷 智子   [HONGO Tomoko]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
 〈農〉は、私たち人類にとって生きていく上での基盤である。そのかたちは、近代化による科学・技術の進展とともに、大きく変わってきた。その変遷の過程で、農薬による被害などさまざまな問題を引き起こしながら、農業生産の規模は拡大し、農地の集積も進んでいる。一方、国連は、国際家族農業年(2014年)、小農の権利宣言(2018年)、家族農業の10年(2019〜2028年)とSDGsを念頭においたキャンペーンを展開している。このように、農業をめぐる思想は、大規模化を目指す考え方と小農を擁護する考え方とで拮抗した状況にある。
  こうした中で、本講義では、まず、〈農〉とはそもそも人間にとってどんな意味を持っているのか、という根源的なところから考察を試みたい。そのうえで、〈農〉を取り巻く現実の問題や実践をふまえつつ、〈農〉にはどんな社会的問題があるのかを把握する。そして最後に、持続可能な〈農〉はどうすれば可能かという点について、〈農〉の思想と地域での実践を交えながら考えてみたい。そして、受講生ひとりひとりが、〈農〉は持続可能な社会にどう寄与していく可能性をもっているのかという点について、理論的に考察できる機会にしたい。

到達基準
 1)〈農〉の持つ意味について自分なりに説明することができる。
 2)〈農〉を取り巻く問題の所在を理解する。
 3)持続可能な社会にたいし〈農〉が寄与しうる側面について理解する。

※ディプロマ・ポリシー上の観点については、本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/

※科目別目標:リーダーシップ/調整能力、国際感覚、知の開拓能力、教養倫理、科学技術系学識
授業内容
 第1回 ガイダンス
Ⅰ.人間にとって農とは何か
 第2回 〈農〉の起源を探る
 第3回 〈農〉は人間の能動性を回復する?
 第4回 「〈農〉する人間(ホモ・カルトゥス)」試論  
 第5回 生活と農の倫理
Ⅱ.〈農〉を取り巻く諸問題
 第6回 アントロポセンのはじまりを探る  
 第7回 飢餓はなぜ起こるのか?――ハイチ共和国の事例から考える  
 第8回 〈農〉と開発の問題――セラード開発とプロサバンナ計画
 第9回 小農の権利 
 第10回 農業倫理
Ⅲ.持続可能な社会をつくる農の哲学と倫理
 第11回 〈農〉とつながる海――ある気仙沼の漁師の取り組み
 第12回 都市農業の可能性 国立市の農家・小野淳さんのお話
 第13回 倫理的な消費のあり方について考える  
 第14回 〈キョウ民〉の思想
 第15回 まとめ
履修条件・関連項目
※本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
澤 佳成(2023)『〈農〉と開発の哲学』はるか書房
参考書
授業で適宜紹介します。
成績評価の方法
平常点30%、レポート70%
教員から一言
農の問題点や農の未来について、一緒に考えてみませんか?
キーワード
〈農〉の哲学、農業倫理
オフィスアワー
講義後
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2023/04/03 19:10:55