科目名[英文名]
土壌物質循環・肥料科学   [Material Cycles of Soil and Fertilizer Science]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 通年 
授業形態 通年  時間割番号 01bn1007
責任教員 [ローマ字表記]
大川 泰一郎, 千年 篤, 山田 祐彰, 岩岡 正博, 東城 清秀   [OKAWA Taiichiro, CHITOSE Atsushi, YAMADA Masaaki, IWAOKA Masahiro, TOJO Seishu]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
農林業および環境保全に関わる植物は、病害虫、雑草、気象災害、有害物質などから守り、健全に育成される必要がある。そのためには、人体に対する安全性のみならず、生態系や生物の多様性をそこなうことのない制御、管理技術が確立、適用されていかなければならない。本講義では、植物保護の基本概念と行政、植物病原微生物、害虫、雑草等の制御、管理技術、そこで用いられる薬剤や微生物ならびに新規テクノロジーなどについて概説する。
本講義は、実務経験のある教員による授業である。高木和宏博士は食品安全委員会など、有江は遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の申請に対する学識経験者委員など、他教員も農薬学会に実務経験をもち、その実務経験を生かして、社会における植物保護の重要性、サイエンスコミュニケーションの重要性などを伝える教育を行う
到達基準
植物保護の基本概念と行政、植物病原微生物、害虫、雑草等の制御、管理技術、そこで用いられる薬剤や微生物ならびに新規テクノロジーなどについて理解できる。

ディプロマ・ポリシーの観点として、以下の、本学HP(三つのポリシー)のカリキュラムマップを参照してください。
https://www.tuat.ac.jp/campuslife_career/campuslife/policy/
授業内容
生物制御科学専攻に関連する研究分野教員10名および非常勤講師(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター 主席研究員 髙木和広先生)によって行います。一部集中開講です。

各回の概要(2022年度の開講状況です。2023年度の予定は2023年8月頃お知らせします)

(1)植物保護学のイントロダクション、
(2)化学的防除 ―化学と生物学の両方の視点で植物保護を考えるー化学的防除について、農薬の変遷、由来、作用機構と選択性のメカニズム、農薬の功罪等を概説する。
(3)植物自身が作り出す抗生物質とホルモン調節による植物保護学考
 ストレスに晒されたときに植物が合成するファイトアレキシンの生合成の分子機構の研究の現状を、植物ホルモンによる成長制御機構と関連させて植物保護を考察する。
 植物保護と植物ホルモン
  植物の高温・乾燥障害、土壌細菌による病害、寄生植物の侵入などの分子機構について植物ホルモンを中心に概説し、それらを解決する方法について考察する。

(5)生物的防除の実例
 昆虫の天敵であるバキュロウイルスを用いた生物的防除の実例を紹介する。ウイルス製剤の生産方法や防除方法を解説、防除の成否に関わる要因や問題点を議論する。

(6)植物病害をどう防ぐか? ー環境負荷と食の安全確保をふまえてー
 植物病害制御の化学的方法、耕種的方法、物理的方法、生物的方法について理解を深め、環境負荷を低減しつつ安全な食料を安定生産する方法について考察する。

(7)植物病原菌に感染するマイコウイルスの概説と応用研究
 植物病原菌にマイコウイルスが感染すると、宿主菌の病原性を弱めることがある(弱毒化現象)。その概論と、新規な生物防除資材として応用研究例を紹介する。

(8)植物ウイルスの診断と防除の現状と課題
 植物ウイルスの特徴について理解を深め、イムノクロマトなど最新の診断法、感染予防・防除法について、弱毒ウイルス開発などの最新の知見も含めて考察する。

(9)農業における有用生物の利用
 農業に利用されている授粉用昆虫や生物的防除資材を取り巻く問題について、特に病原性微生物の随伴導入や非標的生物への生態影響について紹介する。

(10)昆虫による花粉媒介の全体像の概要、我が国でハナバチが農業上有用に活用されている例を引きながら、有用性や現時点での問題点を解説する。

集中開講(対面授業のみ)
高木和広先生(元国立研究開発法人農研機構 農業環境変動研究センター 有害化学物質研究領域 主席研究員) 
 農薬について
 農薬の歴史と法律、特定農薬、農薬の役割と開発、農薬の使い方、農薬のリスク分析、農薬の環境影響、農薬の作物残留、農薬とGM植物

レポート
課題「植物保護学について興味を持ったことに関して、文献などを調べて2000字程度でまとめよ」
提出先:教務係レポート提出ボックス
締切り:12月日(金)14時
表紙は不要です。必ずタイトル、氏名、学籍番号を明記すること

評価方法
毎回出席をとります(12/11は午前・午後)。講義の欠席回数をマイナス点として出席点を評価します(すべて出席の場合、出席点=0)。提出いただいたレポートは-2〜+1の4段階(標準=0)で評価します。出席点とレポートの評価点の合算で、+1:S、 0〜-1:A、-2〜-3:B、-4:C、-5以下:Dと評価します。なお、レポートの提出が無い場合は、D評価とします。

(問合せ先:森山裕充 8号館2-201、hmori714(アットマーク)cc.tuat.ac.jp)
履修条件・関連項目
「本学の標準時間数に準ずる」時間で、予習・復習(授業外学習)を行う。
農薬化学、生理活性物質化学、天敵微生物学、病原微生物学、植物病理学、昆虫生理学、昆虫生物学、バイオロジカルコントロール
テキスト・教科書
使用するスライドを事前にmoodleにアップする予定ですので、事前にダウンロード、予習して講義に出席ください
参考書
講義の中で紹介する
成績評価の方法
レポートを-2〜+1の4段階(標準=0)で評価し、授業参加度との合計で、+1:S, 0〜-1:A, -2〜-3:B, -4:C, -5以下はDと総合評価する。詳しくはmoodleを見ること。
教員から一言
キーワード
食料,持続的農業,病害,害虫,雑草
オフィスアワー
森山までe-mailなどで連絡すること
備考1
掲示を良く確認すること
備考2
【新型コロナウイルス感染拡大の影響によるシラバスの変更については、本科目のクラスルームで確認してください。】
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2023/02/16 14:04:43