科目名[英文名]
化学工学基礎演習Ⅰ   [Basic Chemical Engineering Practice Ⅰ]
区分 共通科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 通年 
授業形態 通年  時間割番号 106i0804
責任教員 [ローマ字表記]
栁澤 実穂   [YANAGISAWA Miho]
所属 農学部附属硬蛋白質利用研究施設 研究室 2-203  メールアドレス

概要
企業財務(コーポレートファイナンス)は資金の調達と運用という企業運営の両側面を担うものであり、経営者や起業家にとって不可欠の知識である。実際には、CFO(Chief Financial Officer)を置いたり、取引先銀行等の支援を受けたりといった専門的な知見を利用すべきであるが、基礎的な概念を知っていないと経営判断を誤る可能性すらある。本講は米国のビジネススクールで必修とされるファイナンスの基礎を修得するためのものであり、その中で経営判断の基礎となるDCF(Discount Cash Flow)法や企業評価といった手法、株式や債券など金融商品の基礎、リスク管理といった多様な領域を俯瞰する。受講に際しては、ある程度の会計や会社法の知識を有していることが望ましいが、それらがなくても十分に理解できるよう、実務に即して解説して行きたい。
授業は、配布資料や教科書に基づく事前学習、講義、ケーススタディ、演習を組み合わせて行う。
本科目は、実務経験のある教員による授業科目であって、実務においてファイナンスをどのように利用するかといった視点から、基礎レベルのファイナンスの知識や手法に習熟することを目的とする。
到達基準
・企業経営を資金調達、投資、運用といったファイナンスの側面から理解し評価できるようになること。
・経営判断における数量的アプローチの基礎的な知識および手法を理解できるようになること。
授業内容
授業内容:
第1回 1.1 イントロダクション/ファイナンスの意義
(講義概要の説明、ファイナンスに関する基本的な要素の概要)
第2回 1.2 現在価値の計算法
(Discount Cash Flow、純現在価値の計算)
第3回 1.3 金利と債券
(金利の意味、債券の特徴)
第4回 1.4 株式の基礎とCAPM
(株式の特徴、Capital Asset Pricing Model)
第5回 2.1 意思決定の基準としてのNPVルール
(NPVルールと代替的手法、埋没費用)
第6回 2.2 WACCと企業評価
(WACC、企業価値)
第7回 3.1 市場の効率性とアノマリー
(効率的市場仮説、アノマリーと行動ファイナンス)
第8回 3.2 企業の資金調達とMM理論
(資金調達のペッキングオーダー、MM理論の意味)
第9回 3.3 株主への還元とESG
(還元に関する議論、ステークホルダー第一主義とESG)
第10回 3.4 金利の期間構造と社債
(金利の期間構造、社債と格付け)
第11回 4.1 ポートフォリオ理論とリスク管理
(効率的フロンティアと分散効果、リスク管理の手法)
第12回 4.2 保険と年金
(リスク管理手法としての保険、様々な年金制度の理解)
第13回 4.3 パーソナルファイナンス
(iDeCo等個人の運用、投資詐欺からの回避)
第14回 4.4 証券化とM&A
(証券化による資金調達、M&Aファイナンス)
第15回 5.1 市場環境の見通しとまとめ
(市場環境の見通し、事例演習)
履修条件・関連項目
ファイナンスに関連する事前知識を要しない。
経済や企業に関する時事報道を意識すること。
本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと。
テキスト・教科書
浅岡大輔等『ゼミナール コーポレート・ファイナンス』日本経済新聞出版 ISBN978-4-532-13524-9
その他に、別途、講義用資料や教材を配布する
参考書
教科書が読みづらい場合には、以下の簡単な入門書を併読すると理解の参考になろう。
石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』光文社新書 ISBN978-4-334-03397-2
成績評価の方法
オンライン講義における成績評価は、講義のへの参加姿勢(クラスパーティシペーション)、小テストおよび課題、期末レポート等を総合的に勘案して行い、本学が定める標準的な学修効果が認められる場合に単位を付与する。平常点30%、小テストおよび課題30%、期末レポート40%で評価する。
成績評価は、5点法により行う。S:90点以上、A:80点以上90点未満、B:70点以上80点未満、C:60点以上70点未満。出席率が70%未満の学生に対して成績の付与は行わないが、出席しただけではクラスパーティシペーションと認めない。
教員から一言
ファイナンスはお金に関する学問です。日本では、お金について語ることは敬遠される傾向がありますが、「お金は大事」です。この講義では企業の調達と運用、経営判断といった領域をファイナンスという軸で取り扱います。時には、経営学の本丸領域についてお話しすることもあるでしょうが、参考にする程度で構いません。
なお、ファイナンスの基礎で必要な数学のレベルは高校1年生程度のもので、少しだけ自然対数と微分が顔を出すかもしれませんが、忘れていても支障ありません。もっとも多く使うのは累乗の計算です。
キーワード
ファイナンス、企業評価、経営判断、リスク管理
オフィスアワー
本務先( k-toku@nli-research.co.jp )へのメールで連絡しアポイントメントを取ってください。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2023/03/27 4:48:46