科目名[英文名]
機械材料工学Ⅰ   [Engineering Materials I]
区分 共通科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 通年 
授業形態 通年  時間割番号 106i0836
責任教員 [ローマ字表記]
箕田 弘喜   [MINODA Hiroki]
所属 農学部附属硬蛋白質利用研究施設 研究室 新1号館N201  メールアドレス

概要
 人的資源管理は、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の訳であるが、評価制度や目標管理のような人事制度の設計および採用といった人事部門の業務にとどまらず、人材開発、組織開発、チームビルディングといった、経営企画部門と事業部門を巻き込んだ全社横断的な業務を網羅している。今日のHRMは、企業の戦略実行のための人材活用といった経営的視点に加えて、従業員のエンゲージメントを考慮し、「個」である従業員のキャリア形成の視点を尊重し、支援する傾向にあり、それらを包括して「人材マネジメント」と呼ばれる。本講義では、履修生が将来の技術経営リーダーとして組織をマネジメントするのに必要なHRMに関する基礎的理解の獲得を目指す。
到達基準
・HRMの包括的な概念を理解し、簡潔に説明できる。
・人事制度設計の概要を理解し、簡潔に説明できる。
・人材開発の理論と手法を理解し、勤務先あるいはケースモデル企業の人材
育成プログラムの基本方針と研修プログラムの素案を策定できる。
・組織開発とはどのような取り組みなのかについて、簡潔に説明できる。
・組織変革におけるチームビルディングおよびコミュニケーションスキルの
重要性を理解し、自ら組織内において企画・実行できる。
授業内容
第1回 イントロダクション
人的資源管理と人材マネジメントの違いと両者の重要性について理解し、本講義全体の構成に
ついて説明する。

第2回 人材マネジメント
外部環境、経営課題、組織構造を把握した上で、組織の人材マネジメントの概要と課題について
理解する。

第3回 人事制度
人事制度改定と判断軸の設定、「求める人材像」の定義、および人事制度改定の概念整理-保有
能力と職責に応じた序列のつけ方/評価内容とのマトリクスについて理解する。

第4回 等級制度と評価制度
人事制度の3つの構成要素「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の概要について理解し、さらに
等級制度および評価制度の役割、設計について理解する。


第5回 目標管理(MBO)
成果評価と行動評価の評価段階・ウェイトの設計、評価決定方法の設定および昇格・降格条件の
設定と設定ポイントについて理解する。

第6回 人的資本経営
最近、注目される人的資本経営とは何かについて理解する。

第7回 採用(新人・中途)
企業の採用活動について、企業と採用される側が率直に向き合い、本音を出し合うことで
お互いが満足のいく採用について長年、企業採用を支援してきた実務家の話をきく。

第8回 人材開発
本講義では、企業の経営戦略の達成に向けたリーダーシップ開発およびキャリア開発等の人材開発施策の概要について理解する。

第9回 グローバル人材育成
日本企業では、ビジネスのグローバル化に伴い、グローバル人材の一定数の確保が重要である。
製造業のグローバル人材育成の最前線について、専門家の話を聞く。

第10回 タレントマネジメント
タレントマネジメントは企業の戦略的な人的資本の管理を意味する概念である。本講義では、
中長期の人的資本管理の戦略立案にあたっての基本的考え方について理解する。

第11回 組織開発1
本講義では、組織開発の研究の歴史と諸理論の概要について理解する。

第12回 組織開発2
本講義では、当事者全員で話し合う創造的な意思決定の方法論であるホールシステムアプローチの代表的な手法について理解する。

第13回 組織開発3
本講義では、組織文化の変革、ミッション、ビジョン、バリューの重要性を理解する。また、
ビジョナリーカンパニーの事例を紹介する。

第14回 チームビルディングとチームマネジメント
本講義では、チームビルディングの重要性について、専門家によるミニワークを通じて理解する。

第15回 ティール組織、ワイズカンパニー
本講義では、従業員が主体的に行動する進化型(ティール)組織について理解する。

履修条件・関連項目
テキスト・教科書
決まったテキストは使用せず、毎回教員が作成した教材スライドを各講義前にPDFファイルで共有する。
参考書
「人的資源管理」原田順子、平野光俊著 放送大学教育振興会
「人事管理 人と企業、ともに活きるために」平野光俊、江夏幾多郎著 有斐閣ストゥディア
「入門 組織開発」中村和彦著 光文社
「ホールシステム・アプローチ」香取一昭、大川恒著 日本経済新聞出版社
「ティール組織」フレデリック・ラルー著 英治出版
「ワイズカンパニー」野中郁次郎、竹内弘高著 東洋経済新報社
成績評価の方法
授業参加度 50%
提出課題  30%
授業内における発言・貢献度 20%
教員から一言
人的資源管理は、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の硬い訳であり、企業側の立場から事業戦略の実行に必要な従業員の最適配置やパフォーマンス管理を行うという意味合いがあります。一方、人材マネジメントは、組織で働く従業員一人一人の成長やキャリアを支援しながら、組織の変革に取り組む、という意味合いがあります。今日の企業には、人的資源管理と人材マネジメントの両方の視点が重要であることを理解し、企業内のリーダーに必要なHRMに関する知識とスキルを習得してください。
キーワード
人的資源管理、人材マネジメント、人材開発、組織開発、チームビルディング
オフィスアワー
問、相談には各回講義後に回答するほか、k-takahashi@go.tuat.ac.jpに質問すれば、メールまたは直接会うか、ZOOMなどで対応する。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2023/03/07 10:58:34