科目名[英文名]
振動・波動   [Vibrations and Waves]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 通年 
授業形態 通年  時間割番号 108a0604
責任教員 [ローマ字表記]
大西 健夫, 白木 洋平   [SHIRAKI Youhei]
所属 生物システム応用科学府 研究室   メールアドレス

概要
【目的】本講義は、ナノスケールの材料においてはじめて発現する新しい「物性」を、デバイスという「機能」へ展開させる手法について説明し、ナノデバイス技術の本質を理解することを目的としている。特に、最近急速に発展している量子計算機をトピックとして取り上げ、基本概念と研究動向を明らかにする。
【概要】ナノテクノロジーとは、量子力学を基礎に、ナノメートル(nm)のスケールで原子や分子を自由自在に制御することで所望の性質を持つ材料を設計・創製し、望みの機能を発現させるデバイスを実現することにより新しい産業を創造してゆく技術である。ナノテクノロジーというこの新しい技術は、情報通信や材料、生命科学など、今後の産業基盤に密接に関わるものであり、今世紀の最重要技術の1つと考えられる。その中核を支えナノテクノロジーを体現しているデバイス技術について、ナノスケール化がなぜ必要か、どのように研究開発が進み、どこへ向かおうとしているのかを体系的に考究する。
本科目は、実務経験のある教員による授業である。担当教員は国立研究所において研究開発業務に携わった経験を有する。授業では、大学院での研究活動で必要とされるナノデバイスや量子計算機の知識について、具体的な実例を交えつつ講義を行う。

クラスコード:exveark
到達基準
量子力学を基礎とするナノテクノロジーやナノエレクトロニクスの本質を理解し、量子を用いた次世代デバイスの原理解説や簡単な素子設計ができるようになる。量子計算機を用いて量子アルゴリズムの実装ができるようになる。
授業内容
【内容】
1.量子状態と量子ビット【1-3回目】
  1.1 はじめに
  1.2 計算の原子
  1.3 量子ビット状態を表現する
  1.4 単一量子ビットゲート
  1.5 量子コンピューターの場合

2.複数量子ビットともつれ状態【4-6回目】
  2.1 はじめに
  2.2 複数量子ビットともつれ状態
  2.3 位相キックバック
  2.4 さらなる回路の等価性
  2.5 普遍性の証明
  2.6 量子コンピューター上の古典計算

3.量子プロトコルと量子アルゴリズム【7-9回目】
  3.1 量子回路
  3.2 ドイチ-ジョサのアルゴリズム
  3.3 ベルンシュタイン・ヴァジラニ アルゴリズム
  3.4 サイモンのアルゴリズム
  3.5 量子フーリエ変換
  3.6 量子位相推定
  3.7 ショアのアルゴリズム
  3.8 グローバーのアルゴリズム
  3.9 量子数え上げ
  3.10 量子テレポーテーション
  3.11 超密度符号化
  3.12 量子鍵配送

4.量子アプリケーションのアルゴリズム【10, 11回目】
  4.1 量子アルゴリズムの応用
    4.1.1 HHL を利用して線形方程式系を解きQiskitで実装する
    4.1.2 VQE を利用しての分子シミュレーションを行う
    4.1.3 QAOA を利用して、組合せ最適化問題を解く
    4.1.4 Groverのアルゴリズムを用いた充足可能性問題の解法
    4.1.5 PyTorchとQiskitを用いた量子古典ハイブリッド・ニューラル・ネットワーク
  4.2 最近の量子アルゴリズムの実装
    4.2.1 量子変分線型ソルバー
    4.2.2 量子画像処理 - FRQIとNEQRによる画像表現

5.量子回路による量子ハードウェアの探究【12, 13回目】
  5.1 反復符号による量子エラー訂正の導入
  5.2 測定エラーの軽減
  5.3 ランダマイズド・ベンチマーキング
  5.4 量子ボリュームの測定

6. マイクロ波パルスによる量子ハードウェアの探究【14, 15回目】
  6.1 Qiskit Pulseによる量子ビットの較正
  6.2 Qiskit Pulseによる高エネルギー状態へのアクセス
  6.3 トランズモン物理入門
  6.4 回路量子電磁力学
履修条件・関連項目
学部にて、電子デバイスⅠ、電子デバイスⅡ、熱・統計力学、量子力学概論、電子物性工学などを履修しておくことが望ましい。
テキスト・教科書
参考書
講義トピックスを扱っている書籍、雑誌、論文など、各自のセンスを駆使することで、本講義に関する良書を探す経験を積んで欲しい。
成績評価の方法
ディベート試験:80%、レポート:20%として、総合的に評価する。これらの合計点が60%以上で合格です。
また、講義中の発言を発言ポイント点として考慮します。

オンライン教育における成績評価方法は、すべての出席を前提とし、双方向性を利用した学習意欲、小テストおよび課題、オンラインテストや対面試験(実施した場合)等を総合的に評価し、本学が定める標準的な学修時間に相当する学修効果が認められる場合に単位を付与します。
総合評価により以下の基準で単位を付与します。
S:90点以上、A:80点以上90点未満、B:70点以上80点未満、C:60点以上70点未満。。
教員から一言
量子力学を基礎としたナノテクノロジーやナノエレクトロニクスとは、まさに現在進行形の学問領域であり、時々のトピックスを盛り込みながら講義を展開してゆく。
キーワード
超微細加工技術、半導体・金属・絶縁体、原子・分子の移動・操作、量子効果、量子計算機
オフィスアワー
オフィスアワー:毎週金曜日午後16時30分〜18時00分
備考1
クラスコード:exveark
備考2
参照ホームページ
http://web.tuat.ac.jp/~nanotech/index.htm
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2023/02/17 22:23:24