科目名[英文名] | |||||
環境科学Ⅱ [Environmental ScienceⅡ] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 0.5 | ||
対象学科等 | 対象年次 | ~ | 開講時期 | 通年 | |
授業形態 | 通年 | 時間割番号 | 96122 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
亀山 秀雄 [] | |||||
所属 | 役員 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
【担当教員】吉澤史昭(宇都宮大学)、豊島由香(宇都宮大学) ●令和5年10月12日(木)10:00〜、宇都宮大学 峰町1号館 2F 大会議室 *コロナ感染症の状況によってはオンライン開講に変更 ●農学における最先端の知識・技術を学ぶことにより、動物栄養飼料学分野における高度の専門能力をつけるための講義科目です。 ●食餌中のタンパク質とその合成材料であるアミノ酸は、タンパク質だけでなくタンパク質以外の多量栄養素(macronutrients)の代謝を調節する機能をもつことが分かってきた。本講義では、タンパク質とアミノ酸がもつ代謝調節機能とそのメカニズムについて概説する。 1. アミノ酸の代謝調節機能 タンパク質の構成成分であるアミノ酸は、細胞内や血漿などに遊離した形でも存在し、この単体のアミノ酸が生体内でさまざまな役割を担っていることが明らかになってきた。生体代謝調節機能の解析が最も進んでいるアミノ酸である分岐鎖アミノ酸(Branched-chain Amino Acids: BCAAs) に焦点をあて、分岐鎖アミノ酸の体タンパク質代謝調節機能、糖代謝調節機能、体温調節機能について概説する。 2. タンパク質の代謝調節機能 タンパク質の摂取不足は、成長遅延や筋萎縮だけでなく、脂肪肝形成やエネルギー代謝の亢進など代謝変化を引き起す。これらの代謝変化には、様々なホルモンの血中濃度やその細胞内シグナル伝達経路の変動が関与するとわかってきた。本講義では、インスリン、インスリン様成長因子(Insulin-like growth factor: IGF)-1、繊維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor: FGF)21に焦点をあて、タンパク質の摂取不足によって起こる代謝変動が、これらのホルモンを介して、どのようなメカニズムで調節されるかについて概説する。 |
到達基準 |
●アミノ酸がタンパク質の単なる構成成分ではなく、遊離した形の単体で代謝を調節する生体調節因子としても機能していることを理解し、その機能について説明できる。 ●インスリン、IGF-1、FGF21の分泌様式、血中動態、細胞内シグナル伝達経路について理解し、その生理機能について説明できる。 |
授業内容 |
●アミノ酸の代謝調節機能 1. 分岐鎖アミノ酸(BCAAs)によるタンパク質合成調節 1-1. 翻訳開始の概要 1-2. BCAAsによる翻訳開始調節 1-3. ロイシンの翻訳開始促進シグナルの伝達経路 2. イソロイシンの血糖値低下作用 2-1. イソロイシンのグリコーゲン合成とグルコース酸化に対する影響 2-2. イソロイシンの末梢組織へのグルコース取り込みと肝臓でのグルコース産生に対する影響 3. BCAAsの体温調節機能 ●タンパク質の代謝調節機能 1. タンパク質摂取とインスリン、IGF-I 1-1. インスリン、IGF-Iの構造、分泌様式、血中動態、細胞内シグナル伝達 1-2. タンパク質摂取不足によるIGF-I作用の抑制と成長遅滞 1-3. タンパク質摂取不足によるインスリン作用の亢進と脂肪肝形成 2. タンパク質摂取とFGF21 2-1. FGF21の構造、分泌様式、血中動態、細胞内シグナル伝達 2-2. タンパク質摂取不足によるFGF21作用の亢進とエネルギー消費量の増加 |
履修条件・関連項目 |
●基礎的な栄養学および飼料学を理解していること、および基礎的な生化学および分子生物学を理解していること。 ●授業時間7.5時間とレポート等作成にかかる時間に加え、配布した講義資料や参考書を参照し、本学の標準時間数に準ずる予習と復習を行うこと |
テキスト・教科書 |
●資料は授業時に配布します。 |
参考書 |
●講義中に情報提供します。 |
成績評価の方法 |
●授業参加態度50%:主体的な授業参加度を重視し、評価します。 ●提出課題50%:以下の2つのレポートにより評価します。 □代謝調節機能をもつBCAA以外のアミノ酸について調べ、その概要をまとめたレポート □タンパク質の摂取不足以外の栄養状態の変化に応答してインスリン、IGF-1、FGF21がどのような作用を発揮して代謝を調節するかについて調べ、その概要をまとめたレポート |
教員から一言 |
●分岐鎖アミノ酸はホルモンのように多量栄養素(macronutrients)の代謝を調節する作用を有していることから、生体調節因子としての利用価値は計り知れない。まさに分岐鎖アミノ酸は、次世代型生体調節因子として注目すべき栄養素です。アミノ酸を見る目が変わると思います。(吉澤) ●20世紀は内分泌学全盛期でしたが、現在は衰退気味です。しかし、栄養状態と代謝変動をつなぐホルモンの作用機序については、今もホットな研究課題です。農学研究を志す者として、 医学研究とは違う、“正常な”動物の“正常な”代謝変化という視点から、この課題を一緒に考えてみましょう。(豊島) |
キーワード |
食餌タンパク質、アミノ酸、代謝調節因子、インスリン、IGF-1、FGF21 |
オフィスアワー |
質問等は講義終了時に受け付けます。また、メールでも受け付けます。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2023/02/02 12:04:35 |